第1章
第1章
ドサッ!
あぁこれで私、死んじゃうんだ。
…あれ?
『痛…くない…?』
あれ、何で?あんな高さから落ちたのに…。
いつまで経っても想像していた痛みが襲ってこない。
混乱し過ぎて頭がついていってないのかとも思ったが、生きてるという喜びの方が勝ってしまったようだ。
『え、私すごくない?あんな高さから落ちて何ともないよ!実はただ者じゃないとか?いや、ないか。そうだこれは夢だ。もうそれしかないな。じゃあここは自分の部屋か。どうりであったかいと…ってうわぁあぁあ!!』
え!?何この人!
何この状況!
何か知らないバンダナの人にお姫様抱っこされてるのはなぜ!
バンダナ「だ、大丈夫?そろそろ降ろしていいかな。」
『あ、す、すいません!重かったですよね。腕とか腰とか砕けてないですか!?』
バンダナ「あはは、大丈夫だよ。でもどうして空から落っこちて来たの?」
バンダナをした男の人が私をゆっくり降ろしながら、優しそうな笑顔を向けて聞いてくる。
あぁ、笑顔が眩しい…!
バンダナの人ではなくバンダナ様とお呼びしよう。(たいして変わってない)
『はぁ…それなんですけど私も全く分かんないんですよね。…ってそういえばここ、どこですか?』
バンダナ様「ここはパルミドの近くだよ。」
パルミド…?
聞き慣れない地名に、眉をひそめる。
どこだろう…。外国の名前っぽいよね。
周りを見ても、分かるのは自然が豊かな場所ってだけ。
こんなことなら地理もっと勉強しとくんだった。
『…えっと…じゃあここは日本ではないと…?』
バンダナ様「にほん?聞いたことないな…。それともまだ僕達が行ってない町なのかな。」
*「まぁそんなことより…君、怪我はない?名前は?」
突然ふわりと良い香りがしたかと思えば、右肩に誰かの手がしっかりとおかれている。
驚いて甘いセリフの主を見上げてみると、そこには銀髪がよく似合う美形のお兄さん。
『え、えぇっと、ミキです…』
*「そう。名前も可愛くて君にピッタリだ。オレはククーr
ドッカアァアァン!!
『!?』
*「誰もあんたの名前なんか聞いてない。この女たらしが!!」
ククール「あっぶねー。オレの横スレスレじゃん。」
*「命中させなかっただけありがたく思いなさいよね。ミキ大丈夫?あ、あたしはゼシカよ。ごめんね。ククールの奴いっつもああなの。びっくりしたでしょ?」
いやいやいやいや。
ゼシカさん、あなたの方がよっぽどびっくりしたわ!!
突如として現れた、またまた新しい人物。
これまた物凄い美人で、誰が見ても褒めるであろうナイスバディーさん。
そんな華奢な体からは想像もつかない程の火の玉をぶっ放した彼女。
え…どっから火出た…?
その前にククールさんの横、確か木があったはずなのに無くなってるよ!?というか焦げた形跡が…。
全く協調性のないメンバーだから仕方ないとは思う反面、この騒がしさはどうにかならないものかと感じる。
そんな光景を見て、エイトは一人、ため息をつくのだった。
エイト「はぁ…。」