第11章
第11章
アレフ「くそっ。美人が見られないなんて…!」
アレフが拳を握りしめている。
そんなに悔しいか?
ナイン「やはり光の神だからでしょうか…。」
『ねぇナイン、その旅の扉ってわずかな手がかりだけでも開くの?』
ナイン「はい。ミキの今回の夢でしたら多分開くと思います。」
良かったぁ…。
これでやっと次に進められる。
ナイン「それでは行きましょうか。」
『あ、待って!』
リュカ「どうかしたの?ミキちゃん。」
『リッカちゃんに行ってきますって伝えてくる!』
そう皆に言って、私はリッカちゃんの所へ急いだ。
***
『リッカちゃん!』
リッカ「あ、ミキちゃん。もう大丈夫なの?」
『うん、忙しいのにごめんね。もう大丈夫だよ。』
リッカ「ううん、いいの。それよりミキちゃんが元気になって良かったよ。」
リッカちゃん…。
リッカ「ミキちゃん、今から旅に出るんでしょ?」
『え?何で分かったの?』
リッカ「ふふ。顔に行ってきますって書いてあるよ。」
『もう…。ちゃんと自分から言いたかったのに。』
リッカ「ごめんごめん。それでね、ナインに教えてもらって錬金で作ったんだけど…」
ごそごそとリッカちゃんが何かを取り出し、それを私に差し出した。
『これは…?』
リッカ「ラッキーペンダントっていって、呪いとか嫌な呪文に効きにくくなるんだって。」
『リッカちゃん…本当にありがとう。大事にするね!』
私はさっそくラッキーペンダントを身につけた。
真ん中に星が描かれていて、天使のような羽もついている可愛らしいデザインだ。
『どうしよう。私、何も用意してない…。』
リッカ「いいのいいの!私が勝手に作っただけだし。それにミキちゃんみたいな友達ができて嬉しかったから、それだけで充分だよ。」
そう言ってにっこりと笑いかけるリッカちゃん。