第9章
第9章
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エイト「何でアルスとミキはそんな離れて座ってるの?」
『だってアレフがここに座れって言ったから。』
ナイン「何かあったんですか?アレフ、若干不機嫌顔ですよ。」
アレフ「言ったらアルスから見た皆の第一印象が悪くなりそうだからやめとく。」
ソロ「どういうことだ?」
アレフ「聞いたら皆が怒って豹変するってこと。」
アレフの言葉に皆、頭に?を浮かべている。
うん、実際私も意味が分からない。
というか、そんなことよりも!
『ねぇ皆聞いて。』
皆がこっちを向いたのを確認して、私は続けた。
『あのね、今日からアルスが私達の仲間の一人になったの。』
その言葉に今度はアルスの方に視線が集まる。
レント「こいつが?」
リュカ「いきなりどうしたの?」
『実はアルスも皆と同じ、勇者なんじゃないかなって思うんだ。』
ソロ「信じらんねぇ…」
ローレ「どう見たって普通のガキ…」
アルス「僕ガキじゃないよ!」
『アルスを見た時、この子は普通の人とは違う、何か特別な力を持ってる…ってパッと思ったの。』
私が頑張って伝えようとすると、段々皆も頷いてくれた。
リュカ「確かにそれだとアルスがこの世界に現れたこととつじつまが合うね。」
ナイン「光の神様であるミキが言うんですから間違いはないでしょう。」
え。ナイン、それはちょっと保証できないかも…
エイト「それに見た目は普通の女の子で実は光の神だったっていうミキの前例もあるし、アルスはミキの言う通り勇者かもしれないね。」
良かった…。皆が認めてくれて…。
アルス「僕もまだ実感が湧かないけど、これから宜しくお願いします。」
そう言ってアルスは皆に頭を下げた。
レント「そんな堅っ苦しい挨拶はやめようぜ。これから仲間として一緒に旅すんだからさ。」
アレフ「僕は別の意味で頭を下げて欲しいけどね。」
ローレ「アレフはまだ何か言ってる。」
アルス「あ、あれは…その」
リュカ「ほらアルスが困ってるじゃないか。何があったかは知らないけどもうやめてあげよう、アレフ。」
アレフ「あーっもう!このお兄ちゃんキャラ!!そんな風に言われたら何も言えなくなるじゃないか!!」
ソロ「お前は少し黙ってる方が丁度いいだろ。」
エイト「本当のガキはアレフなんじゃない?」
アレフ「ひ、酷い…誰か僕の心にホイミを…。」
ナイン「そんなことにMPを使いたくないですね。凄く無駄だと思います。」
アレフ「お前それでも元天使か!?」
そんな風にわいわい騒ぎながら私達は夕食の時間を過ごした。