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第30章







『ジャミーーーーー!!やめてーーーーー!!!』



リュカ「ミキちゃん危ない!」


ソロ「お、おいお前は隠れてろ!」



皆が私を止める声は聞こえた。
だけど黙って見過ごすなんてできるわけがない。
確かに自分でも危ないことは分かっていたが、そんなことを考えるより先に体が動いていたのだ。


ジャミの前に滑り込むようにして辿り着く。
いつも気持ちばかりが先走って行動してしまう私だが、今回ばかりはそれが役に立ったようだ。
その気持ちに勢い付いたのか、突然体が不思議な光に包まれ始めたのである。




ジャミ「…なっ、何が起こっているんだ…!」


『もう馬の好きになんかさせないから!!!』




気持ちをそのまま声に出した途端、私の周りを包んでいた不思議な光が、ジャミに向かって一直線。

ジャミのバリアがぱきりと音を立てて壊れ始め、やがて粉々になり光は更に大きくなっていく。

私は無我夢中で手をジャミの方向へ力いっぱいかざす。
段々と苦しくなってくるのが分かったが、止めようにも止め方が分からない。



アルス「ミキ…っ…!無茶しないで…!」


レック「お、おい…大丈夫なのか…?!」


エイト「ミキ止めて…ッ!」


『止め、たくてもっ…やり方が…ッ!』


ジャミ「くっ…!な、何だというのだこの…、光、はッ…!これが…ッ光の神の、ちか、ら…うおおおおおおお!!



ジャミが大きな雄叫びを上げたかと思うと、私が放つ光がついに眩い程の強い光に変わった。
ぶわっと大きな風が起こり、辺りはまるで爆発の後のように煙らしきものが舞う。



曇った空間が段々と元の明るさに戻ってやっと視界がはっきりした時、そこにジャミの姿はなかった。

あるのはミキがぐったりと倒れているその姿だけ。




リュカ「ミキちゃん!」



一早く気付き、駆け寄ったのはリュカだった。
皆も急いで後に続く。
ぐったり倒れるミキの上半身を、優しく抱き上げるリュカ。



リュカ「ミキちゃん…!しっかりして!」


『…けほっ……リュカ…?わた、し…』


リュカ「…もうジャミはいないよ。安心して…。とりあえず回復を…」


『え…ジャミ、逃げたの…?』


アレフ「ミキが倒したんだよ!」


『ウソ…ほんと…?!』


ローレ「あぁ、本当だ。」


レント「かっこよかったぜ!ミキ!」



傷だらけの皆が、私に優しく笑いかけてくれる。
私のしたことが、やっと皆の役に立ったんだ。
皆の笑顔とその事実が嬉しくて、私まで思わず笑顔になる。



『…これで…世界の人達の私への支持率もアップ…だね…』


アレフ「え、何?選挙の話?



ふふっと声を出して笑うくらい、落ち着いてくることができた。
そっか…私ジャミを倒せたんだ。



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