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第27章





***




エイト「……とりあえず起こったことを一言でまとめると、僕達がパーティー中にいつの間にか寝てしまっていた間にミキの身に何かあった、ってことだよね…」



言葉でこそ単調に聞こえるが、事の大きさはかなり大きかった。

皆を叩き起こした後、慌てるオジロン王に会議室を貸してもらい、状況を把握する。



アルス「でも僕達いつのまに寝ちゃったんだろうね。記憶もちょっと曖昧だよ…」


ソロ「俺もだ。こいつらの顔からして多分全員同じらしいな。」


レント「でも城の奴全部が寝るってのはおかしくねぇ?」


ナイン「記憶があやふやなまま全員が眠ってしまったこと、二階の部屋の開いたままの窓や落ちたタオル…不可解な点があり過ぎます。」



皆重い口調でそれぞれの意見を交わす。
空気も重かった。
段々と状況を理解していくうちに、事が複雑化して行く気がした。



ローレ「その二階の状況からするとミキは誰かにさらわれたんじゃないのか?」


アレフ「やっぱそうなるのかな…。」


レント「水道近くに無造作に落ちたタオルのことを考えると、大方あいつが顔でも洗ってる時に後ろから狙われたんじゃねぇかな。」


レック「でも一体誰がそんなことを……この城の奴は全員寝てたんだぞ?」


リュカ「この城内の者とは限らないよ。手を組んでいた、っていう点を考えるのであれば確率は低くはないけど。」


エイト「じゃあ全員が寝てた原因も調べなきゃいけないね。」


アルス「だったらもう一度寝てた人も調べてみようよ。もしかしたら誰かは起きてたかもしれないし。」


ソロ「そうだな。とりあえず今は情報収集だ。」


ナイン「それしか無さそうですね。闇雲に動いても仕方ありませんし。」



それぞれが立ち上がり、個々に情報収集へと向かう。
至って冷静のように振る舞うが、皆頭はミキのことでいっぱいだった。

だがどうすることも出来ないこの状況下で、ミキミキと騒ぎ立てても埒が明かない。

全員が分かっていたことだったが、全員が最も分かりたくないことでもあった。




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