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第25章





『よ、よーし!私もさらにリュカに信頼される仲間になれるようもっと鍛えよう!』


照れ隠しで少し冗談めかしに言ったつもりだったのだが、リュカは私の言葉に少し困ったように笑った。


リュカ「うーん、そうやってまた頑張りすぎちゃうのがちょっと心配なんだけどね。」


『だ、大丈夫だってば!ほら私を信用して!』


そうやって鍛えるように腕をぶんぶんとまわした。


リュカ「もちろん信用はしてるよ。
だけど、一つだけ訂正してほしいかな。」



片手を顎に当て、考えるようなポーズをするリュカに振り回していた腕をピタリと止める。



『訂正?』


リュカ「うん。もちろんミキちゃんは信用してるし、大事な仲間であることには変わりないんだけど…」



うん。どこも間違ってないよね?
訂正するとこってなくない?





リュカ「皆とは違った意味でもっと大切な存在、かな。」



『……えーっと…と、いうと?』


リュカ「ここで言っちゃったら“大事な仲間”が怒っちゃいそうだからこれ以上は言わないよ。少なくとも“今”はね。」



いたずらっ子のような表情で言うリュカを見て、また新しい一面を知ることができたな、なんて思う反面ふわふわとした気持ちになる。


今のどういう意味…?!

皆とは違った意味で大切…?


“大切は大切でも皆と違った大切ってなーんだ?”

“パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?”と同じ形式だけどそのなぞなぞ難易度高いよ…?!



私の考え過ぎなのか、考えれば考えるほど分からなくなってくる。
元々なぞなぞは得意な方じゃないしなぁ…。

後でこういうの得意そうなレントとかアルスに聞いてみよう。
謎解き得意だもんね。




リュカ「何だか勘違いされちゃってるような気がしなくもないけど、まぁいいかな。そろそろパーティーも始まる頃だろうし戻ろうか。」


『えっ?あ、ほんとだ。もう真っ暗だ。』


空を見上げると、すっかり暗くなって星がたくさん出て輝いていた。

いつの間にこんな時間経ってたんだろう。



でも今日はリュカのことを沢山知ることができたからよかったな。


そんなことを思いながらリュカと一緒に屋上を離れたのだった。





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