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第25章






『……リュカ!!』



そこにはいつもと変わらぬ優しい笑顔を浮かべたリュカが立っていた。



『おかえりなさい!』


リュカ「ふふっ。君に一番にそう言ってもらいたくて急いで来ちゃった。」


『そ、そっか。じゃあ無事に王家の証は手に入ったんだよね?』


リュカ「うん。さっきオジロン王に見せて来たよ。それよりミキちゃん、その格好どうしたの?」


『あ…これはドリスちゃんって子がコーディネートしてくれて…』



そのドリスちゃんをリュカに紹介しようとして、辺りを見回す。
だがドリスちゃんは見当たらなかった。


気を遣ってくれたのかな…。



リュカ「そうなんだ…。とっても素敵だよ。まるで本当のお姫様みたいだ。」



そういつものふわりとした柔らかく優しい笑みを浮かべて褒めてくれるリュカに、私は顔が熱くなるのを感じた。

なんでこう…こういうことがサラッと言えるのかな。

色々デジャヴを感じながらもありがとう…と目を逸らしながら小声で言った。



リュカ「それにそのドレス姿も、今夜は好都合かもしれないな。」


『好都合?何で?』


リュカ「あれ、聞いてない?今夜パーティーがあるらしいんだ。何でもパパス王の息子が帰還だとか新しい王の誕生だとか、明確な理由はよく分からないけど。」


『へぇー初耳!それで何だかお城の中がバタバタし出したのか。何だか楽しそうだね!』



あれ…でも明確ではないにしろそんな感じの理由で開催されたパーティーって…。
大丈夫なのかな…?
リュカはこれから先まだまだ私達と旅を続けなきゃいけないのに言い出しにくくならないかな…?



そんな私の考えを遮るように、リュカが口を開いた。


リュカ「まだ準備に時間がかかるみたいだから、パーティーが始まるまで一緒に過ごさないかなって誘いに来たんだ。」


『えっ。でもリュカ今帰ってきたばっかだし疲れてない?休んだ方がいいよ!』


リュカ「心配してくれてありがとう。だけどミキちゃんの姿を見たら疲れなんてすぐに吹き飛んだよ。」


『ま、またそういうこと言う…』


リュカ「あぁ、もちろん無理にとは言わないよ。よければ、だから。」


『そんな!もちろんだよ!私もリュカと一緒にいたい!』



申し訳なさそうにするリュカに慌てて返事をしてしまったため、少し必死な感じになってしまった。
本心なだけに余計恥ずかしい。



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