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第23章







三人が降りたのを確認し、また二人きりになった。




『あの…リュカ…?』


リュカ「ミキちゃん。」


『は、はい。』


リュカ「君はグランバニアで待ってて。」


『え…』


予想外な言葉に、ベッドから出掛けた体がピタリと止まった。
優しいリュカなら一緒に行こうって言ってくれるのではないかと密かに期待していた分、ショックは大きかった。



リュカ「ミキちゃん、君はもう少し自分の体を大事にするべきだ。」



真剣な眼差しで言われ、シュンとする気持ちと共に顔を下に向ける。




リュカ「僕は別に怒ってるわけじゃないんだ。ただ、誰だって休息は必要だろう?」




俯いた私を見てか、声色が優しくなだめるような感じに変わった。


軽い気持ちで皆について行きたいと駄々をこねた自分のわがままさが少し恥ずかしくなった。






『…うん。分かった。』


リュカ「よし、いい子だね。」




素直に頷くと、リュカは小さな子供にやるのと同じように私の頭を優しく撫でた。


こうやっていつも私を子供扱いするんだから…。



ムッとした私のその考えさえも読めたのか、リュカがクスッと笑った。




リュカ「ふふ、可愛い。」




ほら、そうやってまた。

言うとさらに子供っぽいって思われそうだから口には出さないけど。





『気をつけてね…?皆で行くってことは魔物も出るんでしょ?』


リュカ「そうだね。昔と違って魔物の住処になってるらしいから。」




ついて行ったところで自分が足手まといになるのは分かっているのだが、やはり行動を共にしない以上、皆が心配になる。





リュカ「大丈夫。すぐ戻ってくるよ。」




そう言ってまた頭を撫でた。
私、不安なの顔に出てた?





リュカ「じゃあそろそろ行くね。」


『うん。行ってらっしゃい!』


リュカ「行ってきます。」





な、なんか今の新婚さんっぽいかも…。


…って私は何を考えてんだ。





リュカ「ふふ、なんだか夫婦みたいなやりとりだね。」


『…っ』


リュカ「?どうかしたの?」


『う、ううん…』



まさかおんなじこと考えてました、だなんて言えるはずもなく、慌てて首を振った。




リュカ「あ、そうだ。さっきミキちゃんが僕の子供は美男美女だって言ってくれたけど、僕はミキちゃんの子も絶対可愛いと思うよ。」




それじゃあね、とだけ付け足して、リュカは階段を降りて行った。













『はぁー…』




なんでこう…さ。
リュカってこう…普通のときめくセリフとかじゃないのにサラリとこっちをドキドキさせてくるから心臓が持たない。



そういえばアレフ達が来て遮られたけど、さっきなんて言おうとしてたのかな。

聞いとけばよかった。




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