第11章
第11章
***
ターニア「あなたはレック兄ちゃんなの?」
戦いが終わって皆が回復などをしている時、ターニアちゃんがレックに尋ねた。
レック「…あぁ。」
ターニア「…ううん。私には分かるの。あなたは私の知ってるレック兄ちゃんじゃない…。」
レック「…」
ターニア「お兄ちゃん、もういないんだ…。そっか…。」
『ターニアちゃん…。レックはいるよ。今までよりも何倍も強くなって、今…ここにいる。』
私の言葉に、ターニアちゃんは俯いていた顔を静かに上げた。
『そりゃあ雰囲気はちょっと違うかもしれないけど、意思は同じだよ。ターニアちゃんを見守りたいっていう。』
ターニア「レック…兄ちゃん。…そうよね。じゃあこれからもレック兄ちゃんって呼んでもいい?」
レック「もちろん。」
ターニア「私、お兄ちゃんにここにずっと居てなんて言わないよ。お兄ちゃんにだってやらなくちゃいけないことあるもんね。」
レック「でも…いいのか?」
ターニア「うん。でもそのかわり、たまには私の家にも寄ってね。いつでも待ってるから。」
レック「ありがとう、ターニア。」
そうして私達はターニアちゃんの家を出た。
***
アレフ「っはーー。危なかった。僕涙腺、破れるかと思ったよ。」
エイト「よく我慢してくれたね。もうアレフの涙なんて気持ち悪くて見たくもないよ。」
アレフ「エイト、違う意味で涙腺が破れそうだよ。」
ランド「レック」
村を歩いていると、さっき散々レックに文句を言っていたランドに会った。
ランド「見直したよ。お前にあんな勇気があるなんてな。悔しいけど、これからもターニアのこと頼んだぜ。」
それだけ言うと、ランドは家の中に入って行った。
ソロ「凄い態度の変わりようだなアイツは。」
レント「あれはあれでムカつくな。」
リュカ「まぁまぁ。村も無事助け終わったわけだし、問題は次の行き先でしょ。」
う…。
そうだった…。
次があるんだったー…。
しかし今、ある世界で大変なことになっているなんて、私達はまだ知らなかった。
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