第21章

第21章







レント「おい。お前らも下来いよ!やっぱこっから道続いてんぞ!」




レントがまた下から私達を見上げながら言う。



え…。



『道が続いてるってことはまさか…。』


ナイン「ここを降りなければなりませんね。」



私の言葉に繋げるようにナインが言った。




『こ、この高さから…?』


アルス「結構あるよね…」


アレフ「ほらアルス行け!」


アルス「Σえ゙!?僕から!?」


ソロ「さっさと行け。」


アルス「う、うぅ…」




な、何か可哀相だな。


かと言って私が行く!って言って助けることもできないし…。




ローレ「男は度胸だぞアルス」


アルス「わ、分かってるよ!」



そうして恐る恐る崖へと近付くアルス。



レック「なぁアルス。」


アルス「何?」




アルスが前を向いたまま応える。



すると、レックがとんでもないことを言った。








レック「膝かっくんしてもいい?


アルス「Σダメに決まってるでしょ!




アルスが凄い勢いで振り返った。


そりゃそうだ。



リュカ「レックは何を考えてるの…。」



アルスが確認するように何度もレックを振り返った。



アルス「絶対しちゃダメだよ!?絶対だよ!?」


レック「それはどうかn」



バシッ



レック「痛っ」


ソロ「お前もいい加減にしろ。」


レック「ちぇー何だよー。」




な、何でそんな残念そうなの…。




エイト「まぁでも分かるかも。定位置だもんね。成功したら手応え大ありな高さだし。」


アルス「何の手応えを期待してるの!?


ナイン「アルス、いつの間に"ツッコミ"のスキルを極めたんですか。」




え、そんなスキルあるの?


※ありません。




アレフ「ちょっとー後ろつかえてるんですけどー。」


レック「混んで来たんですけどー。」


『二人共、レジで混んで不満を漏らすせっかちなおばさんみたいになってるよ。』


ローレ「よく分からないけど例えが詳し過ぎだろ。」




でも確かにここから飛び降りるなんて、相当な勇気が必要だよね。


皆は結構冒険慣れしてるけど、アルスは今まで他の世界を見たことも、ましてや海さえも越えたことのない少年だ。



怖いに決まってる。




『アルス、頑張って!』




こんなちっぽけな応援でもアルスに届いたらいいな。




アルス「……。」



するとアルスは無言で拳を握り締め、崖の外側へ軽くジャンプした。




レック「おっ!」


ソロ「やっと行ったか。」




そのすぐ後に、下からスタッ…という軽やかな音が聞こえた。




下を見ると、アルスが無事に…というか綺麗に着地していた。




『す、凄い…』


リュカ「やればできる子なんだよきっと。」


ナイン「リュカ、あなたはアルスの何ですか。」




下からアルスの声がする。




アルス「思ったよりもそんなに怖くなかったよ!ほらミキもおいでよ!」




いや、せっかくのお誘いですがこればかりは丁重にお断りさせて頂きたい。




だって怖いんだもん!




『絶対無理だよ!こんな二階から目薬ならぬ三階から人間みたいなこと!』


エイト「いや、それ多分使い方間違ってるよ。」


ソロ「二番目のはもはやことわざじゃない。」


ナイン「もう…皆さんいいですか?二階から目薬というのは、

【二階から目薬】
二階にいて、階下の人に目薬を差すこと。もどかしいこと、また遠回しすぎて効果がないことの例え。


ナイン「という意味ですよ!」



『ナインの職業って教師だっけ?』






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