第2章
第2章
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レント「見つけ出すっつってもなぁ…」
『そうですよね…。レントさん、何か思い当たる人とかいますか?』
現在、私達3人はアリアハンという城下町にあるレントさんの家にいる。
私とレントさんは2階にある彼の部屋にいて手がかりを考え中。
以前はお城で働いてたという律儀なエイトはレントさんのお母さんにご挨拶中で今はいない。
レント「その“さん"っていうのと敬語やめよう。何か俺っぽくない。」
『じゃ、じゃあレント。何か思い当たることある?』
レント「ないな」
即答かーい。
『あれ?そういえばレントって一人で旅してるの?』
思えば出会った時から見当たらない仲間らしき人達。
エイトみたいに仲間と一緒じゃないのかな。
レント「いや?他にも色々いるけど、一人でバラモス倒すために預けてるだけ。それに一人の方がレベル上がりやすいしな。」
『そうなんだ。』
なんか色々考えてるんだなぁ…。
この世界がどんな風に成り立ってるのかよくは分からないけど。
レント「ミキはずっとエイトと一緒に旅して来たのか?」
『ううん。さっきの話の内容で少しは分かるかもしれないけど、つい最近エイトの世界にトリップして来たの。それである占い師に導かれて、さらにラーミアさんに連れられて今にいたるわけ。』
レント「大変だな。まだ帰り方も分からないまま、また知らないとこ来て神呼ばわりされて、今度は世界平和だもんな。」
『…うん…。』
私が少し俯くとレントの片手が私の頬に優しく触れた。
レント「そんな悲しい顔すんなよ。大丈夫。俺がちゃんと世界を平和にしてミキをもとの世界に帰してやるから。」
その優しい眼差しと言葉に私が頷こうとした時…
エイト「ストップ」
いつのまにかエイトが挨拶を終えて帰ってきてドアの所に立っていた。
レント「げ」
何か前見たような、というかそれ以上?の黒いオーラを発しながら私達に近付いて来る。
エイト「とりあえずその手を離そうか(超笑顔)」
いつもなら見とれてしまうようなその笑顔がなぜか今は寒気を呼ぶ。
エイト「それと何?“俺が世界を平和にしてミキを帰す"?間違ってるでしょ。“俺達が"でしょ。むしろ君はおまけの方なのに。」
『あ、あの…』
レント「黙って聞いてれば…。誰がおまけだって?お前の間違いだろ。世界を平和にするのとミキを守るのは俺だけで充分だ。」
『ちょ…ちょっと…』
エイト「とんだ自惚れ屋さんだね。どうせその勇気だって“ゆうき100ばい"とかいう本でも読んだんでしょ。1階のテーブルに置きっぱなしだったよ?」
レント「あれは俺じゃねぇ!じいちゃんのだよ!」
エイト「どうだか。人のせいにするなんてカッコ悪いよ、勇者サン?」
レント「腹立つぅ…!」
ダメだこりゃ…。
聞く気配全くないよ…。