第20章
第20章
***
シュッ……シュッ……
ギィ……ギィ……
『ん…?』
奇妙な音に、私はふと目を覚ました。
ソロ「何の音だ?」
エイト「さぁ…?」
どうやら皆も気になったようで、目を覚ましている。
レック「Zzz…」
一人を除けばの話だけど。
さすがレック。
期待を裏切らないね…。
シュッ……シュッ……
ギィ……ギィ……
鳴り止まない不気味な音。
アレフ「な、何かまるで刃物を研ぐような音じゃない?」
『Σは、刃物っ!?』
な、何でそんな物騒な物を研いでるの…。
アルス「だ、だとすると刃物を研いでるのはさっきのお婆さん!?」
エイト「えぇ。ちょっと誰か様子見に行って来てよ。」
ソロ「ナイン、お前行けよ。元天使だろ。」
ナイン「天使は関係ないです。第一ここで休もうと言い出したのはレントですよね?だったらレントが行くべきです!」
レント「はぁ!?な、何で俺なんだよ!俺は忙しいんだよ!見て分かんねーのか!?」
ナイン「分かるわけないじゃないですか。寝てるくせして。」
アルス「じ、じゃあローレが行ってよ!ローレ怖くないんでしょ?」
ローレ「ああああ当たり前だろ。こ、こここわ怖くなんてねぇよ!」
リュカ「素直に怖いって言えばいいのに。」
ローレ「こ、こういう時こそヘラヘラしたアレフが行くべきだろ!」
アレフ「Zzz…」
ソロ「嘘寝をするな。」
ローレ「そうだよ!さっきまで起きてただろ!」
アレフ「バレたか。」
エイト「バレバレだから。」
アレフ「あ、僕急用思い出しちゃった☆」
ナイン「アレフも寝たまま何を言ってるんですか。真夜中ですよ今。」
レント「だーっもう、ローレお前行けよ!」
ローレ「だから何で俺なんだよ!レントが行けばいいだろ!」
レント「お前暇だろ!」
ローレ「お前だって暇だろ!ていうか今は皆暇だ!」
レント「だったらアレフ、お前行って来い!」
アレフ「い、嫌だよ!」
ローレ「"あ、どうもでーす"みたいなノリで行けば大丈夫だから!」
アルス「どんなノリなのそれ!?
」
リュカ「もう…皆落ち着きなさい。僕が見に行って来るから。」
レント「おぉ!リュカナイス!」
そうしてリュカが体を動かそうとしたら、
リュカ「あれ?おかしいな。体が動かない。」
『Σええぇぇ!!!』
か、体が動かない?
嘘でしょ?
レント「は、はは。冗談キツいぜリュカ。」
アルス「そ、そうだよ。体が動かないだなんて……ってホントに動けない!?」
試しに私も体を少し動かそうとした。
が、体がまるで痺れたように動かない。
私は段々と怖さが増してきた。
すると、エイトが私に声をかけた。
エイト「ミキ、そんなに怖がらなくても大丈夫。僕がついてるよ。」
そう優しく言ってくれるエイト。
心なしか、少しだけ不安が取れた気がした。
ローレ「おい!こんな時に何いい雰囲気になりかけてんだよ!」
レント「エイト、お前もれなくギガデインの刑だから!」
*「騒がしいのぉ…。イッヒッヒ。」
独特な笑い声とともに現れた先程のお婆さん。
私達は一気に身を固くした。