第19章
第19章
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ドサドサドサッ!!
レント「痛ぃってぇー…」
アルス「いたたた…」
ソロ「一体何があったんだ…?」
皆がそれぞれに起き上がる。
『こ、ここは…ってあれ?アレフとローレは?』
他の皆はいるのに、なぜかその二人は見当たらない。
エイト「ミキ、下。」
『え?』
下?
私が目線を下に移動させると、
『Σキャーッ!!』
なんとアレフとローレが私の下敷きになっていたのだ。
私はすぐさまどけて、二人に謝った。
『ごめん、本っ当にごめん!重かったよね!?大丈夫!?』
アレフ「だ、大丈夫大丈夫。ミキめっちゃ軽かったから。それに柔らかくていい香りだっt…」
バシィッ!!
アレフ「Σ痛゙ッ!!!誰だよ鉄の奥義で僕の頭叩いたの!」
ナイン「アレフが馬鹿なことを言ったから天罰がくだったんです。」
そう言いながら、鉄の奥義を袋にしまうナイン。
アレフ「ナイン、お前か。」
すると、アレフの下から苦しそうな声が聞こえてきた。
ローレ「あ、アレフ…早くどけ…ぐふっ」
アレフ「あ、ごめん。」
ちょ、なんて軽いリアクション!!
ローレ死にそうだよ!!
*「あ、あんたら一体どこから来なすった?」
声がした方を振り返ると、そこには驚きの表情をしたおじいさんがいた。
そりゃそうだ。
いきなり、しかもこんな大勢が目の前に現れたんだから。
ローレ「ていうかここどこだ?」
エイトにベホマをかけてもらって(←嫌々)復活したローレが、辺りを見回しながら言った。
周りを見れば、
山、山、山、山…
どう考えてもリーザス村ではない。
そういえばゼシカ達も見当たらなかった。
*「あんたら、遊びでここを登るんじゃったらやめた方がええぞ。」
レック「もちろん遊ぶ気はさらさらないけど、何でやめた方がいいんだ?」
*「この山は見た目以上に険しい。それに最近では強い魔物も住み着いておる。」
アルス「この山を越えた所には何があるんですか?」
*「グランバニアの城がある。昔はよく人が行き来していたもんじゃが…」
おじいさんのその言葉に、リュカがピクリと反応した。
リュカ「グランバニア……?」
『何か知ってるの?』
リュカ「いや…どこかで聞いたことがあるような…」
もしかして、ここはリュカの世界なのかな?
レント「ま、ここでじっとしててもどうしようもねーし、そのグランバニアってとこに行ってみるか。」
『うん、そうだね。』
レントの提案に、皆も頷いた。
*「なんと!この山を登るというのかね。だったら気をつけて行くんじゃぞ。」
『はい。ありがとうございます!』
そうして、私達は気が遠くなるようなこの山を登ることにした。
いや、マジで気が遠くなりそう…。
これ本当に登り切れるの?