第2章

第2章






…………。




『はい?』



ラーミア「ですから、あなたは光の神なのです。」



何をゆーとんのかね、この鳥は。
突然わけの分からないことを告げられ、当然理解できるわけもなく、目をぱちくりさせる。



『神?What?』


エイト「ミキ、そろそろ理解してあげたら?」


ラーミア「いきなりで驚いているでしょう。ですがこれだけは理解して欲しいのです。あなたは光の神として、世界を平和にしなければいけません。」



そ、そんなこと言われても…。
頭がついていかない上に、理解しようにもスケールが大き過ぎる。

世界を平和にってそんな…。
何のおとぎ話ですか。



レント「…なぁラーミア。どう見たってこの子普通の女の子だろ?モンスターもうじゃうじゃいるってのにいきなり世界平和は可哀相なんじゃねーの?」


『レントさん…』


ラーミア「確かにミキは今まで違う世界で普通の女の子として生活してきました。」


エイト「その時は周りの人と同じように平和に暮らしてたんでしょ?」


『うん』


ラーミア「それはあなたが無意識の内に光を放っていたからです。」


『え?!私そんなテカってないよ?!


レント「そういう意味じゃねーだろ。」


エイト「じゃあまずミキが光の神ってことは置いといて、」



置いとくのか。

だが少しでも理解できるよう、一旦その話題から離れたいのも事実だった。
なのでエイトに少し感謝。



エイト「それとこれと、僕達が勇者ってことは何が関係あるんですか?」


ラーミア「あなた方勇者は光の神とともに世界を平和にするのです。」


レント「え、俺らも?」


ラーミア「ええそうです。レントが言ったように光の神という肩書きはありますが、ミキは普通の女の子です。ミキにしてみれば、ここはあなたが暮らしてた世界とは全く別の、剣や魔法、モンスターが存在する非現実的な世界でしょう。」


『はい…。』


ラーミア「そんなあなたに一人で世界を平和にしろとは言いません。むしろそれでは危険過ぎるのです。」


エイト「それである程度の力がある僕らに手伝えってことか。」



え、そんな軽くていいの?
けろっと言ってのけるエイトに、急に世界平和という言葉が簡単に感じられる。

だがもちろん話は終わっていないようで、



ラーミア「いいえ。ある程度の力だけではありません。特別な力を持った真の勇者だけが選ばれるのです。」


特別な力…?
話が掘り下げられれば掘り下げられる程、普段聞くことのない言葉が飛び出る。
ファンタジーの世界って本当に存在してたんだ…としみじみ思う。



エイト「そんなもの持ってるとは思えないんだけど…」


レント「俺だって勇者ってだけで何か特別なものはないし…」


ラーミア「いいえ、あります。エイトは微かながらも人間ではない何か特別な種族の力が感じます。」


エイト「特別な種族…?」


ラーミア「いずれ分かる時が来るでしょう。そしてレント。あなたも一人で魔王バラモスを倒した立派な勇気の持ち主です。」


『一人で魔王を?!凄すぎる…』


レント「い、いやぁ…別に…」


エイト「そこで照れたら台無しだよね。」


レント「は?!」


ラーミアさん、続けて下さい。


ラーミア「は、はい。続けましょうか。」



何だか変な空気になったのを感じ取った私は、次へとすばやく促す。
ラーミアさんは一度羽をバサッと整えると、静かに語り出した。



ラーミア「ですが、この二人ではまだまだ足りません。レントやエイトの敵である大魔王ゾーマやドルマゲスにもおそらく勝てないでしょう。」


『だったらどうすれば…?』


ラーミア「見つけ出すのです。特別な力を持った強き勇者達を。」





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