第19章

第19章







***





そして私達は朝ご飯を食べて準備をし、エイトのルーラでリーザス村の前までやってきた。




もう入る前から周りは自然ばかりで、のどかということが一目で分かる。




私はミーティア姫をチラッと見た。


見ると、ミーティア姫も私の方を見てくれていた。



私がニッコリと微笑むと馬の姿ではあるものの、ミーティア姫も微笑み返してくれたような気がした。





そしてふとエイトの方に目を向ける。





『(エイトはミーティア姫のこと、好きなのかな)』





ミーティア姫はすっごい美人さんだったし、ミーティア姫は何も思ってなくても、エイトは好きなんじゃないかな…。




エイト「?」


『(でもミーティア姫はお姫様でエイトは近衛兵…。じゃあ叶わない恋?)』



エイト「(さっきから僕を伺うように見たり、かと思ったら今度は哀れむような目で見たり…どうしたんだろう?)」



『(いやでもトロデ王はエイトのこと気に入ってるみたいだし、旅が終われば一気に昇進してミーティア姫のお婿さんに…)』





私は何だかモヤモヤしてきた。



このモヤモヤは何なのかはよく分からないけど、もっと分からないのは何で私がこんなことを考えているのかということ。



まぁ…多分夢でのミーティア姫との会話が原因なんだろうけど。


好きとか恋愛とか…私には全く縁のない話だけど、友達のそういう話を聞いたりすると、凄く応援したくなる。



だからもしエイトがミーティア姫を好きなら、全力で応援したいな。




私はそう思った。


しかし、なぜかさっきのモヤモヤがおさまらない。


何でだろう。




そんなことを考えていると、ゼシカが私を呼んだ。




ゼシカ「ミキ?入らないの?」


『え?あ、行く行く。』




村の一歩手前で立ち止まっていた私を見て、皆も怪訝そうな表情をしたけど、特に気にすることもなく私達はリーザス村へ入った。




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