第2章
第2章
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ふわりと優しい風が私の髪をなびかせ、鳥がゆっくりと私達を下ろしてくれた。
ここどこ?
もうこの前から知らないとこばっか行ってるよ…。
エイト「で、着いたけど。説明してくれますか?」
鳥「はい…。ではまず」
*「あ!いたいた!おーい、ラーミア!」
突然の大きな声に、その場にいた全員が振り返る。
な、なんか黒髪のツンツンした頭の人が走ってきたぞ?
ツンツン頭「どこ行ってたんだよー。アリアハンから出たらいないから探したぜ?ま、探すっつってもスライムくらいのザコ倒す程度で何も苦労しなかったけどな。」
いきなり来て何を喋ってるんだこのツンツン頭は。(ミキの中ではもうツンツン頭に決定された)
それにラーミアって、この鳥のこと?
ラーミア「レント…。ごめんなさい、この方達をお連れするのに時間がかかってしまって。」
レントっていうのか。
残念、ツンツン頭じゃなくて。(←当たり前)
エイトの初代あだ名バンダナ様といい、私の予想は外れまくりだ。
レント「誰?」
エイト「僕はエイト。よろしく。」
『初めてまして。ミキです。』
レント「あぁ、どうも。俺はレント。」
ラーミア「申し遅れました、私は神鳥ラーミアです。」
神鳥?!神の鳥?!
そんな凄い鳥だったんだ…。な、なんかめちゃくちゃ失礼なこと言っちゃったかも…。
エイト「あの、ラーミア様。」
ラーミア「ラーミアで結構です。」
エイト「じゃあラーミア。あの、説明というのは…?」
ラーミア「そうでしたね。レントのせいで話がズレてしまいました。」
レント「俺のせいかよ。」
ラーミア「レント、これはあなたにもいずれは話さないといけないこと。今この方達と一緒に聞いて下さい。」
レントさんも…?
一体何を話すつもりなんだろう。
自分のせいだと言われてムッとしていたレントさんも、少し表情が真剣になった。
ラーミア「まず、レントは勇者です。そしてエイト、あなたも勇者なのです。」
ええっ?!勇者?!
神鳥といい…そんなスケールの大きい所なの、ここは?!
思わず声を上げそうになるのをぐっと抑える。
エイト「僕が勇者…?」
レント「(お、俺以外にも勇者がいたのか…?!)」
ラーミア「そうです。そしてミキ。あなたは様々な封印や呪いを消し、平和な世界へと導く光の神なのです。」