第17章
第17章
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ソロ「なぁリュカ」
リュカ「何?」
ソロ「何で俺達は今、こんな薄暗い地下で本棚をあさってるんだ?」
リュカ「それは…ハワードさんに"世界結界全集"っていう本を探せって言われたからだよ。」
はぁ…。
あのクソジジイの頼み事を何で俺達がやらなきゃならないんだ。
まったく…溜息が出る。
しかもそこには数冊だけではなく、何十冊もの本があるのだ。
ソロ「俺達二人だけで探すなんてまず無理だろ。」
リュカ「うん。だからさっきナインに皆を呼んで来てって言ったんだけど…」
ナイン「すいません!遅くなりました!」
ナインが慌てて地下に降りてきた。
しかし、その後ろにはあいつらがいない。
何でだ。
ソロ「おい、他の奴らは?」
俺がそう聞くと、ナインは顔を引き攣らせながら目線を後ろに向けた。
ナイン「それが…他の人達、皆面倒臭いとかあんな奴の頼み事なんか聞きたくないとか言って…。」
リュカ「やっぱりか…」
ナイン「あ!で、でも一人は連れて来ましたよ!何か噴水の所で暇そうだったので。」
そう言って前に出したのは、緑のイガイガした帽子をかぶっている、エイトを異様に尊敬してそうなあいつだった。
確かヤンガスだっけ?
ヤンガス「兄貴のためなら探し物だってドーンとこいでがす!」
いや、エイトのためじゃないし。
まぁいいや。
一人でも多い方がいい。
ナイン「探すのは"世界結界全集"でしたよね?」
リュカ「うん。」
あーあ面倒臭ぇ…。
俺がガサガサと本棚をあさり、タイトルを見ていると
ソロ「……。」
何だこの本は。
リュカ「……。」
その時隣の本棚で探していたリュカも、ある本を手に取って無言になっていた。
ソロが手に取った本
[ハワード一族の歴史 上巻]
リュカが手に取った本
[ハワード一族の歴史 下巻]
ソロ・リュカ「ニフラム」
[2冊の本は光の中へと消え去った]
ナイン「Σえぇっ!?な、何してるんですか二人共っ!!」
ソロ「気にするな。ちょっと本棚に魔物がいただけだから。」
ナイン「どういう状況ですか。」