第17章
第17章
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アルス「うわぁ!綺麗な所だね!」
エイトに連れられて来た場所。
そこは、何とも神秘的な塔の最上階だった。
やっぱり旅をすると、見たこともない場所が沢山あって楽しい。
アルス「ここにミキがいたらもっと楽しいのにな…。」
思わず、僕はそう呟いてしまった。
ローレ「…。」
うわ、何かローレに睨まれた。
怖っ。
アルス「え、エイト、この塔にそのクラン・スピネルがあるの?」
僕はローレの目から逃げるようにして、エイトに尋ねた。
エイト「うん。この像、リーザス像っていうんだ。」
リーザス…。
じゃああのライドンさんが言ってたのってこの像のことかな?
ククール「宝石か…。でもそれらしき物は見当たらないぜ?」
ククールさんがリーザス像に近寄って色々と調べる。
エイト「え?ない?」
ローレ「あぁ。そんな宝石…」
エイト「うーん…。おかしいなぁ。あるはずなんだけど。」
エイトがここ以外思い当たらない、というように首を傾げる。
ククール「…やっぱないな。」
アルス「じゃあ他の所に行ってみる?」
そう言って僕達が、来た道を戻ろうとした時――。
―お待ち下さい……
勇気ある旅人よ…――
アルス「えっ?」
いきなり声がして、僕達はその方向を見た。
すると、像の前に綺麗な女の人がいたのだ。
しかし、体が少し透けている。
ローレ「どうでもいいけど、何がどうなって勇気に繋がったんだ?」
うん、本当ににどうでもいいよそれ。
―私はリーザス・クランバートル……
遥か遠き昔…
この世界を生き、
この像を生み出した者です…―
エイト「リーザス・クランバートル…」
―あなた達にお教えしましょう…
長い歴史の狭間で
忘れられた、
光の神について…――
…―
…――