第17章
第17章
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ローレ「やっと着いた。」
まるでシーソーのように上下に動く通路。
石像を置いただけで自動に動く階段。
一つ一つが迷路のようなエリア。
あれから俺達は色々と面倒臭い仕掛けを解き、なんとかこの塔の最上階まで辿り着いた。
アルス「あー…今ので絶対かしこさ上がったよ。」
エイト「そうだね。まぁローレは相変わらず力のみだけど。」
余計なお世話だ。
何か今日のエイトはいつもより毒舌さが増してる気がする。
やっぱりミキが原因だろうか。
ククール「おい、あれが例のクランバートル家の親父じゃないか?」
見てみると、エリアの中心部分で何やら作業をしている男が。
近付いて話し掛けてみる。
エイト「すいません。ちょっと聞きたいことがあって。あなたがこの塔を作られた方ですか?」
ライドン「ぬぉっ!?ま、まさか本当にここまで登って来るとは…」
ローレ「は?」
ライドン「いや…こっちの話だ。それで、いかにもわしがこの塔を作っているライドンだが、何だ。聞きたいことってのは。」
自分の名前をつけたのか。
エイト「実は、クランバートル家に伝わるクラン・スピネルという宝石を譲って欲しいんです。」
エイトが要件を伝えたが、果たして承諾されるのか。
このオヤジ、相当な頑固オヤジっぽいぞ。
しかし
ライドン「そんなものはもうとっくの大昔からうちにはねえよ」
とのこと。
なにー。
俺(達)の苦労は。
ライドン「確かわしの…ひいひいひいひいひい……」
ゴキッ
ライドン「うぐぁっ!!こ、腰が…」
おいおい。
大丈夫かよこのオヤジ。
ライドン「まぁとにかくわしの大昔の先祖が自分の作った生涯最高の出来の像にその宝石を埋め込んだんだことは確かだ。」
エイト「その像は今どこにあるかご存知ですか?」
ライドン「さぁ…?だがその像を作った女性の名前は覚えているぞ。確か……リー…リーザス…とかいう名前だったような…。」
その言葉に、エイトがピクリと反応した。
エイト「そうですか、分かりました。ありがとうございます。」
そう言うと、エイトはルーラを唱える準備をした。
アルス「ね、ねぇエイト!今ので何か分かったの?」
確かに今のわずかな情報だけで何かが分かったのだろうか。
エイト「うん。もしかしたら…いや、もしかしなくてもあの場所だ。」