第17章

第17章





〜一方その頃エイト達は〜






アルス「あ、分かった!ここに石像を置いて、それを下の階に移動させるんだよ!」


エイト「なるほど。ローレ、その石像ここまで動かしてくれる?」



ローレ「…。」





その言葉に、俺は黙ってエイトを見る。





エイト「何。」


ローレ「お前さ…俺を何だと思ってる?」


エイト「何って…魔法も使えない力と体力と剣だけが取り柄のバカアh「ちょっと黙ろうな?」





はぁ…まったく。


聞けばこれだ。



俺、一応王子だぞ?


なのにさっきから石像を運ぶばかりの雑用だ。


頼み方は"〜してくれる?"系で一見遠慮がちだが、全く持って遠慮していない。





エイト「ほら早くやってよ。」






まさに継母に雑用を押し付けられているシンデレラの気分である。






ローレ「頼むならコイツに言えよ。えーっと…誰だっけ……そうだ、クックルーだ。」


ククール「ククールだ。魔物と一緒にするな。」


ローレ「悪い悪い。で、ククール。お前さっきから全然動いてないだろ。」


ククール「俺は補助役なんでね。それに戦闘の時はそれなりに戦ってるぜ?」


アルス「ねぇ、早くしないとミキが来ちゃうよ?」


エイト「そうだよ。これはミキのためでもあるんだから。」


ローレ「う…」





ミキのため。



そんなこと言われたら、何も反論できない。



くそ…。
セコい技使いやがって。





ローレ「仕方ない…」





俺はしぶしぶ石像に近付いて、それを指定された位置まで運んだ。



正直こんなことをするのは余裕なのだが、こう何度もやってるとさすがに疲れてくる。



それにこいつらに指図されるっていうのが気に食わない。



ちょっとはお前らもやれよな。





ローレ「…まぁ皆ナヨってるしガキは混ざってるし」


アルス「何か言った?


ローレ「別に。」





独り言のつもりだったが、どうやら聞こえていたようだ。





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