第17章
第17章
***
レック「あー暇だなー。」
エイト達がライドンの塔へ行った今。
リブルアーチに残った俺はとても暇だ。
レック「ふわぁ…」
ねみぃ…
そういえば今朝はミキ失踪事件で早起きしたからな。
レック「ミキ失踪か…」
ポツリと呟く。
思えば、俺が一番ミキとの思い出が他の奴らより少ねぇんだよな。
でもだからと言って、ミキを守りたいという気持ちは他の奴らに負けない自信がある。
グランマーズに占いである程度のことは聞いていたから、ミキを初めて見た時、本当にこの子が光の神なのかと疑問に思った。
どう見たって普通の女の子じゃないかって。
しかし違った。
俺が本来の自分に戻った時のターニアに対して、精一杯励ましていた優しいミキ。
エイトが自分の世界に一人で行くと言った時、思わず叩いて泣いてしまう程仲間への思いやりが強いミキ。
ドルマゲスに俺達が押されてた時のミキの不思議な歌声。
俺の中で印象に残ったのはその三つだ。
挙げてみればキリがないだろう。
普通の少女にあんなことができるか?
いや、もしかしたら普通の少女だからこそかもしれない。
だからこそ素直な視点で見て素直に受け止め、素直な意見が言える。
だけど俺にとっては、それが凄く特別に思える。
"特別"……。
レック「ん?」
"特別"?
あれ?
俺今何かにピーンときた気がするんだけど…。
しかし出かかっていたその何かはソロの声で掻き消された。
ソロ「おいレック。バーサーカー二人を知らないか?」
レック「バーサーカー二人?」
あぁ…レントとアレフか。
レック「問題児二人がどうかしたのか?」
リュカ「それがいなくなったんだよね。ちょっと僕達が目を離した隙に。」
ゼシカ「まったく…逃げたわね?あの二人。」
ナイン「それはゼシカさんがハワードの実験台とか言ってメラミを二人に投げようとするからですよ。」
ヤンガス「そんなことされたら普通誰だって逃げるでがす。」
レック「もう逃がしてあげてた方がいいんじゃないのか、それは。」