第16章
第16章
***
北へ向かっている途中、アルスが口を開いた。
アルス「ミキ、何で急にいなくなっちゃったんだろう?」
それはアルスだけじゃなく、皆も思っていることだった。
レック「もしかしていなくなったと言うよりは、次の目的地が分かったとか?それで俺達よりいち早く行こうと…」
アレフ「でもそれなら黙って行く必要ある?」
レント「今までミキの力とかで次の場所へ導かれて来たけど、その時は必ず真っ先に俺達に言ってたぜ?」
エイト「うん、むしろ確信が持ててない感じだったし。」
レック「じゃあその可能性はない…か。」
僕だってその可能性も考えた。
だけど、どう考えたってミキが黙って次の場所へ行くなんて有り得ない。
ヤンガス「も、もしかして何か事件に巻き込まれて、誰かに連れ去られたとか…!?」
ソロ「縁起でもないこと言うなよ。」
ヤンガス「じ、じゃあまさかアッシ達のことが嫌いになって…!?」
ククール「確かに男ばっかりでむさ苦しいもんな。」
ゼシカ「それに口を開けばいつも喧嘩ばかりらしいし?」
ローレ「それこそ縁起でもない」
レック「そ、そうなのか!?ミキは俺達のことが嫌いになって…だけどいやでもまさかそんなしかし…。」
ナイン「そんな否定的な接続詞ばっかり並べて悩まないで下さいよレック。」
レックじゃないけど、まさか本当にミキは僕達を嫌って…いや、考えるのはやめよう。
第一ミキは今までそんなそぶりなんて見せなかったじゃないか。
そうこうしている内に、何か関所らしき物が見えてきた。