第15章
第15章
ゼシカ「ま、待って!まだ生きてるわ!」
えっ!?
嘘でしょ!?
しかしそれは嘘ではなかった。
ドルマゲス「くっくっく…。」
なんとドルマゲスが静かに笑いながら起き上がったのだ。
ドルマゲス「やりますね。あなた方がここまで戦えるとはちょっと意外でしたよ……。」
ローレ「な、何だと!?」
ドルマゲス「もし私が身体をいやしている最中でなければ、もう少し楽に殺してさしあげたのに。」
するとドルマゲスは、おもむろに杖を持ち上げた。
杖の先端部分が不気味に光る。
ドルマゲス「しかたありませんね。さあ、もう終わりにしましょう。」
ドルマゲス「悲しい……悲しいなぁ……。あなた達ともこれでお別れかと思うと悲しくってしかたがありません。」
そしてドルマゲスが杖を振り上げた!
ドルマゲス「これでもくらえ!」
皆が構える。
ドルマゲスが私達に杖を向けた。
その瞬間、杖から大量のイバラが溢れ出る。
イバラがこっちにくる…!
しかし思った時にはもう遅く、逃げられない。
私はギュッと目をつむった。
その瞬間、
エイト「ミキ!皆!危ないっ!」
『エイト!!』
アレフ「バカ!よせ!」
何とエイトが私達の前に立ちはだかり、庇うような体制になったのだ。
『エイト、どけて!』
しかしイバラは容赦なく私達に襲い掛かる!
ドルマゲス「あーっひゃっひゃっひゃ!いーひっひっひっひ!未来永劫イバラの中で悶え苦しむがいい。」
聞こえるのはドルマゲスの高らかで不気味な笑い声と、イバラが押し寄せる轟音。
もう駄目だ。
このまま私達はイバラに飲み込まれてしまうんだ。
しかしこれからくるであろう痛みが一切感じられない。
何で…?
私がうっすらと目を開けると、エイトの前に白く輝く光の盾が現れていたのだ。
そして何と私の前にもエイト程強い光ではないけど、その盾が現れていた。
その盾によってイバラは私達に襲い掛かるどころか、私達の所だけ進めないように弾いていた。
イバラの勢いが強くなったのが分かる。
それでも私達の前で弾く。
暫くしてイバラの勢いがおさまり、イバラが私達の周りで円形になって包み込んでいた。
しかしそのイバラも、まるで枯れたように辺りで落ちて消えていった。
アルス「ど、どうなってるの?」
ドルマゲス「なぜだ!?なぜ効かない!お前は一体……!?」
ドルマゲスが私達を見て驚きの声をあげる。
レント「俺達…助かったのか…?」
ドルマゲス「……面倒だがどうやら全力を出さねばならないようだな。」
ドルマゲスが今までよりも何倍も低い声で言った。
敬語もなくなってる。
ドルマゲスは再び杖を振り上げた。
すると、黒い闇がドルマゲスを覆う。
ソロ「今度は何なんだ…?」
ドルマゲスを包んだ黒い闇は、ゆっくりと宙に浮いてゆく。
それから眩しい光が黒い闇から次々に放たれ、私達はまた反射的に目をつむった。