第14章

第14章







『えーっと…こうして…』





うーん…。
ドルマゲス討伐のためとはいえ、やっぱりラーミアさんの絵にレーザーを向けるなんて気が引けるな…。



まぁまだラーミアさんとは決まってないけど。


でも神鳥には変わりないしね。





『…できた!』




私がレーザーを動かし終わり、神鳥レティスの左右両方の翼にレーザーを当てた状態の絵が完成した。





その瞬間。





ゴゴゴ…




軽い地響きと共に、新たな階段が現れた。




ヤンガス「おぉ!ミキの嬢ちゃん、やるでがすな!」


『いや、私はただ動かしただけであってここまで出来たのは皆のお陰だよ。アドバイスをくれたのはアルスだし、導いてくれたのはレントだし。』




レント「…」


レック「アレフの笑顔の次はお前かよ。」



ゼシカ「ほらさっさとしないと置いてくわよ。」




えっ!
置いてかれるのは嫌だよ!



私は急いでゼシカ達について行った。








***




階段を降りてみるとさっきまでとは違う、何だか洞窟みたいな場所だった。




ククール「いきなり風景が変わったな。」


ソロ「おい。この水、飲んだら回復したぞ。」


『え?回復?』



ソロの近くに水が貯まっている。

とても綺麗な水だ。



私達はそれぞれ、その水を飲んでみた。




ナイン「あ、本当ですね!疲れがとれましたよ。」



本当だ。

至って普通の水っぽいのに、飲んだら一気に体力が回復した。



こんな水だけで回復するなんて、また今更だけど不思議過ぎるよこの世界。



レック「そのドルマゲスって奴はこの奥にいるんだろ?ここまでの色んな仕掛け、一々クリアしなきゃいけないんだな。」


アレフ「マジか!大変だな、ドルマゲスも。」



リュカ「いや、それはちょっと違う気がするんだけど…。」




うん。私もそう思う。



で、でも想像したら笑えてきた。






エイト「皆。そろそろ気を引き締めた方がいいと思うよ。」



エイトの真面目な声に、皆が振り返る。



エイト「ドルマゲスはその扉の向こうにいる。」




エイトの目線の先を追うと、そこにはいかにもな扉があった。




いよいよか…。




エイト「…。」




『エイト?』



私は、黙り込んで下を向いているエイトが心配になった。


きっとこれからの戦いのことで、気持ちが落ち着かないんだ…。



『エイト、大丈…』




私はエイトに大丈夫?と聞こうとしたが、言えなかった。



なぜなら、



















エイト「今度こそあの白塗りピエロをぶっ潰してやる…









なぜなら、エイトさんがブラックエイトに変身してたから。




ククール「こえー。こえーよエイト。」


エイト「今までこんなに振り回しちゃってくれてさぁ?本当いい加減にしてほしいよね。」


ヤンガス「兄貴の言う通りでがす!」


エイト「今度こそ追い詰めたんだって思うと、嬉しくてしょうがないよ。」



[エイトは不敵な笑みを浮かべている。]



ローレ「エイトが狂った。」


ゼシカ「もうエイトが暗黒神ラプソーンでもいいんじゃないかしら。」


『えぇっ!?まさかの味方がボスだったっていう展開!?』




私が否定しようとして、エイトの方を見た。





…うん。
正直言って、今のエイトは暗黒神でも違和感ないと思う。



ってそんなことよりも!

もー。やる気無くなっちゃうじゃん。




『皆、行こう。』



私の言葉に皆が頷き、目の前にある扉を開いた。





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