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メイクアップ・マジック!



 今日のデートの為にと新しく買った服に袖を通し、おかしいところがないか姿見でチェックする。リボンも割と綺麗に結べているし、スカートもきちんとホックを止めてチャックも上げてあるから大丈夫だろう。強いて言うなら、この服はわたしが着るには少し可愛すぎる気もするけれど。

「なまえ、そろそろ着替え終わったー?」

 コンコンとドアをノックする音が聞こえて返事をすれば、わたしを呼びに来たらしい瑞希ちゃんの声が聞こえた。

「うん、今終わったところだよ」
「じゃあ、リビングに来てもらってもいい?こっちも準備できてるからさ」
「わかった。すぐ行くね」

 あまり瑞希ちゃんを待たせるわけにもいかないし、今日はこれからデートなんだから急がなければ。そう思いながら忘れ物はないかと確認をし、バッグを片手に部屋を後にした。
 早足で廊下を移動しリビングへ続くドアを開ければ、わたしを待っていてくれた瑞希ちゃんの視線がこちらに向いた。

「あ、この前一緒に買った服着てくれたんだ!かわいい〜! すっごく似合ってるよ!」
「ほ、ほんと?」
「ホントホント! やっぱりそれ選んで正解だったな〜、さっすがボク!」

 ふふん♪ と得意げに笑った瑞希ちゃんは、はっと思い出したように「ささ、こちらへどうぞ」と椅子へ座るようわたしに促した。大人しく椅子に腰掛ければ、テーブルの上にずらりと並べられているメイク道具が視界に入る。その中にわたしが持っている物は含まれておらず、全て瑞希ちゃんが所持している物だ。

「ヘアメイクだけど、何か希望はある? 髪はストレートがいい〜とか、アイシャドウはこの色がいい〜とか」
「うーん……これといってない、かなぁ。おまかせしちゃってもいい?」
「オッケー! それならボクの好きにしちゃうけど、とびっきりかわいくしてあげるね♪」

 これは腕が鳴るなぁと嬉々としてメイク道具に手を伸ばした瑞希ちゃんによって、まるで魔法みたいにメイクが施されていく。自分でやるよりも可愛く仕上がっているだろうから、鏡を見るのが楽しみだ。
 髪も瑞希ちゃんの手に掛かればあっという間にセットが終わった。自分が今どうなっているかはわからないけれど、ヘアメイクをしてくれた瑞希ちゃん本人が満足そうに頷いているから、きっと大丈夫なのだろう。

「うん、これでよし! バッチリ! じゃあはい、これ鏡ね。なまえも見てみて」

 手渡された鏡を受け取ってそれに自分を写せば、さっき部屋の姿見で見た自分よりも遥かに可愛い自分と目が合った。瑞希ちゃんには今までも何度かヘアメイクをお願いしたことがあったけれど、毎度毎度本当にすごい。

「どう? めちゃくちゃカワイイでしょ!」
「瑞希ちゃんすごい! ありがとう!」
「どーいたしまして♪ ボクも楽しかったし、喜んでもらえてよかったよ」

 テーブルの上に並べられていたメイク道具をテキパキと片付けながら、瑞希ちゃんが笑う。そんな瑞希ちゃんはわたしにヘアメイクをする前に支度を終わらせていたらしく、片付けが終わればいつでも出掛けられそうだった。

「片付けも終わったし、そろそろ行こっか」
「うん」

 リビングの電気を消してから、二人で玄関へと向かう。恋人の、瑞希ちゃんの手で可愛くしてもらった姿でデートに行く為に。

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