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レイヴンの質問に私はそう答えた。
すると、泣きやんだライラがアルフに両親を探しに行かないのかと聞く。
「やめなさい。あなたたちが砂漠に行っても死ぬだけよ」
「えっ」
「ジュディス!」
「私たちが探すわ。だから、砂漠に行ってはダメ」
ジュディスがそう言うと、アルフはほんとに?と聞く。
「私、ウソはつかないわ。…いいでしょう?カロル」
「うん。いいよ」
凛々の明星で依頼として引き受けてくれるという。
掟が『義をもってことを成せ、不義は罰を』というので、放って置けないらしい。
「ありがとう!お姉ちゃんたち」
「お礼にこれ、あげる!」
アルフは宝物のガラス玉をジュディスに渡して家へと戻る。
「ガラス玉?」
「素敵な宝石だわ」
「仕事の報酬ですね」
「先払いしてもらった分、きっちり働かないとな、カロル」
「そうだね」
本当に依頼として受けてくれたようで、私からもお願いした。
「すいません。宜しくお願いします。私は二人についていて行けないので」
「なんか、マリア神出鬼没だよね」
「そうですか?」
「そうね、いつの間にか居なくなるし、あたし達の行くとこに先回りしてるし。あんた何者よ」
「騎士ですよ?不正ある場所に私あり、です」
砂漠にこれから行くと言うユーリ達にあまり無理はしないように言ってから、私は二人の家へと戻っていった。
彼らならきっと両親を連れ帰ってきてくれるだろう。
ルカたちもついていることだし、私は街に残り執政官、キュモールの様子でも伺うとしよう。
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