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暫く一緒にいた子どもたち、アルフとライラ。
彼らを見ていたが、両親は未だに戻っては来ない。
ルカからも連絡はない。
「ねえ、お姉ちゃん!お父さんとお母さんは?まだ帰って来ないの?」
「大丈夫。もうすぐ帰って来ますよ」
「っ、やっぱりぼくたち探してくる!」
「あ、アルフ!ライラ!」
アルフは妹のライラの手を引っ張り家から飛び出していった。
「駄目です、今部屋から出ては…」
「やだよぉ、はなしてよぉ!」
外に出てすぐライラの泣き声が聞こえてきて、私はすぐに外へ出た。
「外出禁止令を破る悪い子は執政官様に叱っていただかないとな」
「いやだ、ぼくたち、お父さんとお母さんを探しに行くんだよ…!」
「執政官様とやらの代わりにオレが叱っといてやるよ」
「よそ者は口出しするな」
「許してあげてください。わたしが直接、この子たちに代わって執政官に頭を下げます」
外へ出るとユーリやエステルがアルフとライラを庇ってくれていた。
「アルフ、ライラ」
「お姉ちゃん!」
「え、マリア?」
「二人を助けてくれてありがとうございます。ユーリ、エステル」
怖かったのか泣いてしまったライラを宥めながらお礼をいった。
「この子たちの両親がどうかしたのかしら?」
先程の話で彼らの両親がなにか事件にあったと思ったのだろうジュディスが聞いてきた。
「彼らの両親は執政官にフェローの調査の為に無理矢理砂漠に連れていかれてしまったんです。他の住人もですが…」
「でも、フェローの調査って何をする気よ?マリアちゃん、騎士なんだから聞いてないの?」
「いえ、騎士と言っても私の仕事は別のことですから、知りません」
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