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「…くだらねぇ話してるじゃねぇか」
「な、何だよ…?」
いつの間にかいたユーリが話に入ってきた。
まだノードポリカにいたんだ。
「こんな子どもに何の責任があるってんだ。こいつが直接、何か悪いことをしたか?」
「…まあ、ユーリ、そう、カリカリするな。いつものことなのじゃ」
「あんたね、こいつはあんたのことを思って…」
「心配せんでも、うちはすぐにこの街を出ていくのじゃ。んじゃの」
パティはそのままその場から走り去った。
「待ってください。パティ!」
私もパティを追いかけて走り出す。
今のパティを一人にしてはいけない、只でさえ記憶がなくて混乱しているのだから。
「パティ」
「着いてこなくていいのじゃ。うちは大丈夫なのじゃ」
「わかってます。パティはマンタイクに行くのでしょ?私もですから、一緒に行きましょう?」
「…それなら、構わんぞ」
パティの許しを得たので共にカドスの喉笛に向かった。
*
パティに会ったのは、私がまだ騎士になりたてのある日。
「おまえが、マリアかの?」
「…あなたは?」
「うちはパティ!マリアに渡したいものがあるのじゃ」
そう言ってパティが差し出したのは一つの小箱。
戸惑いながら開けると、そこには父と母のピアス。
それはあの事件に巻き込まれる前に二人がつけていた物で、所謂遺留品だった。
でも、あの事件で遺体すら帰ってこなかったのに…どうしてこれのパティが?
「アイフリード…じいちゃんから預かったのじゃ。それをマリアに渡すように両親から受け取ったと言っとった」
「アイフリード…、どうして…」
それから沢山調べて知ったこと、それのお陰で私は知ることになった。
全ての真相を…。
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