3
「なんだ、知り合いか?ああ、騎士だから会ってても可笑しくはないが」
「昔の話ですが、彼と私は婚約者だったんですよ」
「「ええ!??」」
勝手に決められ、私が騎士になったことで無くなった話だけど。
貴族にはそんなに珍しくない話だけど、そんなことを知らないカロルやリタは驚いていた。
「イエガー!やっちゃいなよ!」
「イエス、マイロード。ユーに恨みはありませんが、これもビジネスでーす」
そう言い襲いかかるイエガーや赤眼たちを撃退するユーリ達。
その時、後ろから争い声が聞こえてきた。
「キュモール様!フレン隊です!」
「さっさと追い返しなさい!」
「ダメです、下を調べさせろと押し切られそうです!」
「下町育ちの恥知らずめ…!」
イエガーはゴーシュ、ドロワットと呼び掛けると、二人の双子が現れ煙幕を使う。
そしてキュモールは悪党の捨て台詞を言ってからその場から逃げ出した。
「早く追わないと!」
「待って!今のボクらの仕事はティグルさんを助け出すことなんだよ!」
「でも…」
「あんたたちの仕事とかよくわかんないけど追うの?追わないの?」
追うか、追わないかと選択を迫られているユーリ達に私は話しかけた。
「彼のことは私や、ここに来ているフレンに任せて、あなた達はキュモールを追ってください。許せないのでしょう?」
「マリア、恩にきる!行くぞ!」
「待て、ユーリ!」
「ここの後始末は任せた!」
「エステリーゼ様!やはり、あなたにこんな危険な旅は…」
追い付いたフレンが叫ぶが、ユーリ達はもう裏口から逃げ出したキュモールを追うために出ていってしまった。
[ 63/91 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]