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「なんだ、知り合いか?ああ、騎士だから会ってても可笑しくはないが」

「昔の話ですが、彼と私は婚約者だったんですよ」

「「ええ!??」」

勝手に決められ、私が騎士になったことで無くなった話だけど。

貴族にはそんなに珍しくない話だけど、そんなことを知らないカロルやリタは驚いていた。

「イエガー!やっちゃいなよ!」

「イエス、マイロード。ユーに恨みはありませんが、これもビジネスでーす」

そう言い襲いかかるイエガーや赤眼たちを撃退するユーリ達。

その時、後ろから争い声が聞こえてきた。

「キュモール様!フレン隊です!」

「さっさと追い返しなさい!」

「ダメです、下を調べさせろと押し切られそうです!」

「下町育ちの恥知らずめ…!」

イエガーはゴーシュ、ドロワットと呼び掛けると、二人の双子が現れ煙幕を使う。

そしてキュモールは悪党の捨て台詞を言ってからその場から逃げ出した。

「早く追わないと!」

「待って!今のボクらの仕事はティグルさんを助け出すことなんだよ!」

「でも…」

「あんたたちの仕事とかよくわかんないけど追うの?追わないの?」

追うか、追わないかと選択を迫られているユーリ達に私は話しかけた。

「彼のことは私や、ここに来ているフレンに任せて、あなた達はキュモールを追ってください。許せないのでしょう?」

「マリア、恩にきる!行くぞ!」

「待て、ユーリ!」

「ここの後始末は任せた!」

「エステリーゼ様!やはり、あなたにこんな危険な旅は…」

追い付いたフレンが叫ぶが、ユーリ達はもう裏口から逃げ出したキュモールを追うために出ていってしまった。



 

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