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派遣騎士は法、団体などに捕らわれることはなく任務を全うする。

そして派遣騎士には派遣騎士にしか知られていない闇の部分がある。

それは…







「ラゴウは評議会の人間でありながらその権力を使い、トリム港の私物化、紅の絆傭兵団の首領のバルボスと結託しての反逆行為。そして街の人達や部下を自らの欲望を満たす為に殺めた後、死体を魔物のエサ、売買して金に変えていた。…その証拠に資料を提出させて頂きます」

帝国の裁判にて私や他の派遣騎士が集めた証拠を提出し、後に判決が下された。

「ラゴウを地位降格に処す」

それは今までラゴウがしていたことに比べたら軽すぎる刑だった。

「やはりこうなったか…マリア、解っているな」

「はい。私達の役目…ですからね」

私は腰にさしていた剣に手を触れる。

派遣騎士の役目。

それは、地位あり裁くことが出来ない人間が世界に仇なす者と判断された時に天罰を下すこと。

それが例え皇帝であっても、道を誤れば殺めることができるのだ。

派遣騎士は、そうして帝国を影から支えてきた。

そして今日、私もその役目を果たすときが来た。

ラゴウは裁判を終えてからすぐにダングレストを出るということなので、私は入口で待つことにした。

闇に乗じて罪人を人知れず始末する。

そう、心に決めていたというのに…。

「あ、あなたは…。私に手を出す気ですか!?私は評議会の人間ですよ!あなたなど簡単に潰せるのです。無事では、す、すみませんよ」

「法や評議会がおまえを許してもオレはおまえを許さねえ」

「ひぃ、く、来るな!」

そこにいたのは、ラゴウに手を掛けたユーリの姿。



 


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