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そして、ラピードがいるということは…
「うわっ!!なにこの犬!」
「かわいい…、あ、ユーリ?!」
暗くて良く見えない通路から出てきた姿に笑みを溢す。
まさか、ここで会うなんて思いもしなかった。
「マリア!」
「ユーリ…」
目の前にユーリが止まり、私とユーリの間には数歩の距離しかなくなった。
「久しぶりですね、ユーリ。変わりはありませんでしたか?」
「別に普通だった。…マリアは」
「私もいたって普通でしたよ。でも、しいて言うなら、ユーリに会えなくて寂しかったことでしょうか」
そう言って私はユーリに抱き着いた。
決着をつけるまで会えないと思っていたのに、こんなところで会えた。
この4年間程、寂しかった思いが彼と会ってなくなっていく。
ああ、やっぱり私はユーリが好きなんだ。
「マリア…、会いたかった」
「私もです」
「…ちょっと、あんた達なにイチャついてるわけ。ユーリ、急がないといけないんじゃなかったの」
女の子の声にユーリがパッと私を離した。
そういえば、足音が沢山聞こえていたのを思い出した。
「ユーリ、あの、どちら様です?」
騎士団の格好だからだろうか、ピンクの髪の女の子がおずおずと聞いてきた。
「ああ、マリア・クーリッツ。オレが騎士団に居たときの先輩で、恋人」
「え!?恋人!!」
「ユーリ、恋人いたんです!?」
「おー、青春だねぇ」
余程ユーリに恋人がいたのが驚きだったのか、真相を聞こうとする人達。
それから本当だと話し、互いに自己紹介をした。
エステリーゼ様もといエステル、リタ、カロル、レイヴンだそうです。
エステルは、どうしてこんな場所にいるのかというのはユーリに聞いてとりあえず納得。
そして、レイヴン。
まさかここにいるとは…。
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