3
屋敷の中に入ると、パティが私に向き合う。
「久々じゃの、マリア。して、先ほどの青年とは知り合いなのかの?」
「今はそんな話をしている時間はありませんが、…恋人、でしょうか」
「むむ、そうか。でもうちは負けんのじゃ!」
どうやらイケメン好きのパティはユーリの事が気に入ったらしい。
「いくらパティでも、彼は差し上げられませんよ」
それからパティは地下へと、私は屋敷内を探しに別れた。
ラゴウ執政官はカプワ・ノールに雨を自由に降らせる魔導器を秘密に所持していたり、税金を払えない人間を捕まえたりしているという。
その他にもしているという証拠を探していく。
「ショコラ。人の気配がしたら教えて下さいね」
「ワン!」
*
暫く屋敷を調べ、証拠をみつけていると、伏せていたショコラが耳を立たせ、立ち上がる。
「ウーーー」
「ショコラ?…爆発音?」
証拠を探すのを止め、音の方へと急いで向かう。
すると、大きな広間には巨大な魔導器とユーリとパティ達が暴れているのを見つけた。
それからすぐに騒ぎに駆けつけたフレン達が合流して緊迫した空気が辺りを包んでいると、窓ガラスを割って入ってきた竜のような魔物と鎧を来た人間が持っていた槍で巨大な魔導器の魔核を砕いた。
「なんて事を…」
証拠品を壊されたことに怒りを感じていると、ラゴウが逃げるのと、そのラゴウを追いかけるユーリ達の姿を見てから、私はフレンの元に向かう。
「フレン」
「え…マリア先輩?お久しぶりです。しかし何故ここに…」
「話は後です。どういう経緯でこうなったのかは知りませんが、ここは私に任せて貴方はラゴウを追ってください」
「は、はい!ソディア、ウィチル、行くぞ!」
フレンは二人を引き連れ、屋敷を後にする。
その姿を見てから壊された魔導器の元へ行き、魔核を調べる。
「…やはりこれもヘルメス式。彼が関わっているのですね」
証拠として壊れている魔核を押収し、屋敷にある不正の証拠も押収してから私は屋敷を後にし次の目的地へと目指した。
[ 47/91 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]