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シゾンタニアの事件から4年という時は流れ…

私は今、評議会であるラゴウが執政官をしているカプワ・ノール港に来ている。

現在の私は、派遣騎士として世界を巡っている。

あまり知られてはいないが派遣騎士とは、主に騎士団内の不正などを暴く部隊のこと。

かの騎士団団長閣下もその行動を把握、指示、制限することは出来ないギルドとは違う独立部隊。

その人数は10にも満たず、各地に散らばっている。

隊長とかはいなく、主に個人で判断して行動。

服装は自由で私服だったり騎士の服だったりする。

因みに私はナイレン隊の隊服を着ている。

…忘れない為に。

「クーン」

「ショコラ?」

私とこの4年間行動を共にしているショコラが掲示板の前で動きを止めた。

つられて見ると、そこには新しい手配書。

『ユーリ・ローウェル。10000ガルド』

「…ユーリが犯罪者に?これは何かの間違いでは…」

しかし何にしても、元気にしているというのが分かってホッとした。

「さて、ラゴウ執政官の所へ向かいますか、ショコラ」

「ワン!!」







「失礼します。マリア・クーリッツと申します。執政官様はいらっしゃいますでしょうか」

「誰だ?おまえ…」

屋敷には警備にしては柄が悪い人物が二人いた。

何処かの傭兵ギルドの人間だろう

「私は派遣騎士です。…そうラゴウ執政官様に言って頂ければ解ると思いますよ」

傭兵の二人は顔を合わせながら、一人が屋敷の中に入っていく。

それから暫くして執政官の秘書という人が現れた。

「これは、派遣騎士の方でしたか。何用で…」

「ご存知ではないのですか?屋敷の中を調べさせてもらいますよ」

そう言って屋敷に入ろうとするとすかさず傭兵と秘書が止める。

「派遣騎士とはいえ、無断で入ることは出来ないぞ。まず執政官様が許可するはずがないからな」

「拒否をするということは何らかの不正をしていると認めることになりますよね」

「証拠がなくてはなんとも言えんだろう」

頑なに拒む姿に私は溜め息を吐いた。



 


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