7
シャスティル一人だけ、機械のコードに当たり気絶してしまう。
「シャスティル!」
皆がいきなりの事態に驚いているのを嘲笑うかのように次々に建物が爆発していく。
建物は崩れ、ここにいたら私達は全員助からないだれう。
「ここはやべぇって!」
「ユーリ!逃げるぞ!」
すぐに入ってきた入口に逃げた後、気絶したシャスティルを背負ったナイレン隊長とフレンの下の地面までもが爆発する。
フレンはなんとか地面の崩落から助かったけど、ナイレン隊長とシャスティルが崩落に巻き込まれてしまう。
「ユーリー!!」
ナイレン隊長はユーリに向けてシャスティルを力一杯で投げる。
ユーリはシャスティルをキャッチすることを成功し無事だと確認した。
でも、問題はそこじゃない。
ナイレン隊長が、崩落していく地面に残されたままだ。
「隊長!!」
ユーリが身を乗り出し手を伸ばす。
そんな中、私は動く事が出来なかった…。
「手ぇ出せ!うぉっ!」
落ちそうになったユーリをフレンとエルヴィンが助ける。
「俺らが抑えっから!」
ユーリに斧を渡して支える二人。
「今助ける!今…くそっ!」
「無理だ。行け」
「っるせぇ!手ぇ出せっつてんだよ!」
「もう動けねえんだよ」
そう言ってナイレン隊長は溶けた左腕を見せる。
それはフレンを助けた時に受けた傷のせいだと思われた。
「んなもん治せる!手ぇ出せ!」
「ユーリ」
「全然届かねえ!なんか他にねぇのかよ!!」
「ユーリ」
ナイレン隊長はユーリに諭すように語りかける。
「わかってんだろ?助かるもんを助けてくれ」
「……」
ユーリはその言葉に戸惑いながら身を引く。
「持ってけ」
ナイレン隊長は付けていた魔導器をユーリに渡す。
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