2

そして暴走を始める魔導器に、隊長は術式の紙を近づけるとエアルは拡散して暴走は止まった。

「エアルの影響だ」

「魔導器が使えないんですか?!」

「で、こいつを使う。エアルの過剰な反応を抑える術式だ。マリアのお陰で人数分は複製出来た。ただし長くは持たねぇ。いざと言うときに使え」

たしかに複製に協力はしたけれど、その術式が何のための物か聞いてなかったんですけど…。

「魔導器が暴走することを、知っていたんですか?」

「ああ!だから急を要すると言った。街の結界魔導器を暴走させるわけにはいかん。進むぞー」

「ってか、なんでここで言う?」

「出発前に準備させてよね!」

「悪ぃ。忘れてた」

そう言ったナイレン隊長は、まるで悪戯が成功して喜んでいる顔だった。

「「はぁぁぁぁ!?」」

双子の怒りから回りの騎士全員が各々呆れたり怒ったり、隊長に罵声を飛ばしていた。

「信じられない!なんなのよ、あのオヤジ!!」

「はぁ…本当に、大事なことを事前に言わないのはちょっと駄目ですね」

「マリア。ちょっとじゃなくて、ダメダメよ!ああ〜、もう!!」

「うるせぇ!黙れおまえら!」

ここまで来たから仕方がないと、渋々だけど隊長の後を追う皆でした。







「魔物が出てこねぇと思ったら、こんなことになってんのか」

川沿いを進んでいくと、沼の中に白骨になった魔物の姿があった。

思っていた以上に深刻な状態なのかもしれない。

「ねえ、これやばいんじゃない?」

「あたしらもああなっちゃうの?」

「用心しろ!何が起こるか解らん」

そう身構えていた矢先だった。

進んでいると、デヴィットが沼に引きづり困れてしまった。

沼でもがくデヴィットの体には水で出来た触手が巻き付いている。

「フローズンアロー!!」

隊長は魔導器を使おうとしていたユルギスを止めて、ボウガン隊に指示をする。



 

[ 30/91 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -