3

「通常エアルは緑色ですが、異常な濃さになると赤く変色するらしいんです」

「木が枯れたのも、生き物が凶暴化したんのも、このエアルが原因か」

「そう…むぐ…」

メルゾムが聞いてくると、ユルギスは私の口を塞ぎ、自らも口を閉ざした。

「おい!」

「…我々はそう考えている」

「ったく!今更隠してどうなるってんだ」

ガサガサ

「うわぁ…!」

草むらを這うような音が聞こえたと思ったら、ギルドの一人が何かに引きずられていく。

「うわ、わわ、親分〜〜!!うわぁ…!!」

グシャ

引きずられた途中で鈍い音と共に血しぶきが舞うのを見た。

「やろぅ…!!」

「メルゾム!」

「待って下さい、ユーリ!」

こちらの止める言葉を無視して奥に進むユーリ。

「あいつはもう!」

「警戒しろ!」

武器を構えて私達も追いかけた先の奥の茂みに、ランバートの姿を見つける。

「ランバート!」

「待て、ユーリ!」

近寄ろうとしたユーリをメルゾムが止めて、持っていた武器を構える。

様子が可笑しい…?

よく見るとランバートの口の周りには血がついていて、次に出てきたのはあの赤い触手がランバート、アルゴス、ジョーンを取り込んでいる姿だった。

「そんな…」

驚いている間に触手は襲い掛かり、ギルドの一人を宙へと拐っていく。

そして、悲痛な叫びと共に大量の血が私達に降り注ぐ。

それは紛れもなく、先ほど宙に連れていかれた人の血だった。

「あ…ああ…」

全身が血塗れ、呆然としてしまう。

「あ…いやあああああ!!」

すぐにそれに耐えられなくなったヒスカが叫び声を上げる。

すると触手はユーリに向いていた牙の向きを変えてヒスカに襲いかかろうとする。

「ヒスカ!!」

私はすぐにヒスカを突き飛ばし庇い、ヒスカに向かう筈だった衝撃が私を襲う。



 


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