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ユーリとランバートは飛び、ユーリは今にも襲いそうな赤い触手に剣を投げる。

私は近くにいた魔物を斬りつけて退路を確保する。

「ママんとこ行くぜ。ランバート、先行け!」

「ユーリ、こっちです!」

子供をしっかり抱え、走り来るユーリを援護する。

街まで走っていると、魔物に矢が降り注ぐ。

「倒れてる奴は担いでつれてけ!」

そこにはメルゾムの姿があり、どうやらギルドが助けに来てくれてらしい。

「ママ〜!」

「エマ、エマ…」

無事に母親の元に連れていくと、母親はしっかりと娘を確かめるように抱き締める。

「ユーリ!街まで退避だ!ユーリ!」

「え…ユーリ?」

ユーリにランバートは、メルゾムの隣に移動していた。

魔物を迎え撃つというの?

「ワンワン!」
「ワンワン!」

「アルゴス!」

「ジョーン!」

いきなり吠え出したアルゴスとジョーンは、引いて行った魔物を追いかけて森に入っていく。

「ワンワン!」

「ランバート!」

自分も行こうとするランバートを呼び止めると、ユーリに静かな目を向ける。

「ランバート…?」

そして森に駆け出してしまった。

「ランバート!待てって!」

ユーリはそんなランバートを追いかけて行ってしまった。

そしてメルゾムも手の空いた部下を連れて追いかけていく。

「くそ!マリア、エルヴィン、ヒスカ。来い!」

私達もその後を追いかけることにした。

森に入ると、もうランバート達の姿はなく、地面を見ても魔物と足跡が混じって分からなくなっていた。

「ランバート!ランバート!アルゴース!」

「この前よりエアルが濃くなってる…」

「エアル?これが?」

森には赤い粒が舞っていて、それがエアルだとユルギスは言う。



 


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