7
「湖の遺跡には恐らく何かがある。ここの隊だけじゃ処理しきれない、な。それからデッカイ方は俺と来てくれ」
ナイレン隊長は双子であり、唯一の違いである胸の大きさを指摘する。
「セクハラね」
「セクハラだわ」
当然、ヒスカとシャスティルは怒る。
因みに胸が大きい方というのはシャスティルです。
ユーリは何がデカイのか解らずに、隣にいるフレンに聞いていた。
「デッカイってどっちも背同じじゃん、な?」
「……」
「ユーリは、ランバートの世話頼むわ」
「また犬かよ!!」
私はというと、何の処分もなく終わった。
元々二人の教育係でもないし、なにも騒ぎを起こしていないからのよう。
その変わり、街を移動するという住民達の護衛をすることになった。
*
朝になり、フレンは遠く離れた帝都に向かう準備を済ませていた。
「フレン」
「…マリア先輩。どうしたんですか?こんな朝早くに」
「あなたのお見送りです。気を付けて行ってきて下さいね」
「ありがとうございます。では行ってきます」
フレンは馬に乗り、走り出す。
その後ろ姿を見ながら、私は息を吐く。
きっと要請は断られる。
アレクセイは、式典を重要に考えるだろう。
…フレンにとっては、とても辛い思いをするかもしれない。
そして、これから私達にも辛いことが待っているのを、私はこの時知るよしもなかった。
[ 19/91 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]