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「湖の遺跡には恐らく何かがある。ここの隊だけじゃ処理しきれない、な。それからデッカイ方は俺と来てくれ」

ナイレン隊長は双子であり、唯一の違いである胸の大きさを指摘する。

「セクハラね」

「セクハラだわ」

当然、ヒスカとシャスティルは怒る。

因みに胸が大きい方というのはシャスティルです。

ユーリは何がデカイのか解らずに、隣にいるフレンに聞いていた。

「デッカイってどっちも背同じじゃん、な?」

「……」

「ユーリは、ランバートの世話頼むわ」

「また犬かよ!!」

私はというと、何の処分もなく終わった。

元々二人の教育係でもないし、なにも騒ぎを起こしていないからのよう。

その変わり、街を移動するという住民達の護衛をすることになった。







朝になり、フレンは遠く離れた帝都に向かう準備を済ませていた。

「フレン」

「…マリア先輩。どうしたんですか?こんな朝早くに」

「あなたのお見送りです。気を付けて行ってきて下さいね」

「ありがとうございます。では行ってきます」

フレンは馬に乗り、走り出す。

その後ろ姿を見ながら、私は息を吐く。

きっと要請は断られる。

アレクセイは、式典を重要に考えるだろう。

…フレンにとっては、とても辛い思いをするかもしれない。



そして、これから私達にも辛いことが待っているのを、私はこの時知るよしもなかった。



 


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