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「ふわぁ…酒場で乱闘なんてベタなことしやがって」

「すみません」

そう謝ったのはフレンだけだった。

「街の外は面倒臭えことになってんだ、街の中で面倒起こすなよ」

「あいつらがいい加減なことすっからだよ!じいさんの金巻き上げただけで途中でほったらかしにしたんだぞ!あんな連中許せるか」

「成る程な。ま、俺でも殴ってたかな、そりゃあ。だがギルドは帝国の影響を受けない自治組織だ。いい面もあんだよ」

反省していないユーリが反論し、何故か納得するナイレン隊長。

二人とも許せないことは同じよう。

「そうは思えませんが」

「今回のことで解ると思うが、俺たちでは対処出来ないこともやってる。金は取るがな」

確かに、騎士団は個人だけに動くことは出来ない。

そんな小さな騎士団では出来ない依頼をギルドはしてくれている。

「メルゾムって奴はあんたのこと知ってたぜ」

「ん?ああ、まぁつまんねえ話だ」

「「………」」

皆は隊長を疑わしい目で見つめる。

「なんだよ!別に癒着なんかしてねぇぞ!…怪我大丈夫か?」

「あ、はい」

「じゃあ、とっとと部屋に戻れ」

「は?」

「懲罰房行きじゃねえのかよ」

「今そんなことしてなんか得があるか?…とは言うものの何もないっていうのも他の隊員に示しがつかねえか」

今は只でさえ人数不足に苦しんでいるから、自ら隊員を減らすことはしたくない。

ナイレン隊長は少し考えてから、思い付いたのかキセルを加えながら言う。

「店への弁償は給料から差っ引いとくぞ」

「げっ!」

「ああ、それとフレン。帝都に行ってくれ」

「はい?」

「俺の代理だ」

「私が、ですか」

「俺は他に行くとこがあんだよ。その間ここはユルギスに任す。おめえは式典への出席とこの援軍の要請書を届けてくれ」

要請書に自らのサインをしてから机に置く。



 

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