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「そこまでだ!」

あんなにも続いた喧嘩は、その一言で終わりを告げた。

止めたのはシゾンタニアのギルドを束ねているメルゾム・ケイダ。

メルゾムとユーリは意気投合したのか、一つの席で話を始めた。

そんな中、私達はというとめちゃくちゃになった店の掃除を手伝っていた。

割れたお皿などは騎士団、ギルドに請求するようにも店側に教える。

両者成敗ということだ。

落ち着いた所で席に座りユーリ達の話をきいていると、先日の大量に増えた魔物と街に近づく紅葉は関係あるのか、とメルゾムが探りを入れてきているのに気づいた。

「わかんねぇ。でも隊長はそう思ってるみたいだ。軍師と相談してるよ」

そう言い終えてから、三人が動くのは早かった。

三人はユーリを締め上げる。

「なに余計なことしゃべってんの!」

「バカ!」

「帰るぞ!」

締め上げた格好のまま店から連れ出されるユーリ。

止めるのは無理はない。

騎士団とギルドはこの時はまだ相容れない存在だから。

「失礼しました」

「おう。ナイレンによろしくな」

会釈をしてからユーリ達の後を追う。

彼とナイレン隊長とは腐れ縁だとかで、私も彼とは話す程度はしたことがある。

さて、これからあの四人はナイレン隊長に呼び出されるでしょうね。

「…私も、か」

呼び出される前に行こう、と足をナイレン隊長の部屋に向かわせた。

そこには怪我を治療されたユーリとフレン、二人の教育係のヒスカとシャスティルが各自各々違う顔で立たされたのは言うまでもない。



 


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