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一夜明け、私達はいつもと同じように街を巡回して回る。

街の近くに魔物が出るようになってからというもの、街の人は一人また一人とシゾンタニアから出ていき、空き家が増えてきている。

私が暮らしていた時の活気がなくなり、とても悲しく思う。

「あ、マリア様。昨日はお疲れさまでした」

「ありがとうございます。近くの危険はなくなりましたが、まだ気を緩めないで下さい」

「ええ。あ、そうそう。マリア様が探していたものの情報、少しですが集まりましたよ」

「あ、ありがとうございます。では、これがお代です」

「またご贔屓に」

頼んでいたものというのは、とある資料。

それを渡してきた人は情報屋を営んでいて、前々から頼んでいたものだった。

街から出られない私にとって情報屋は唯一の情報元である。

「マリア?」

「四人共。ああ、交代の時間ですね」

ユーリとヒスカ、フレンとシャスティルが街の門の交代にきたらしい。

「なんだよ。さっきの」

「ユーリ!先輩になんて口を…」

「いいですよ、フレン。さっきのは情報屋。情報を買っただけですよ」

そう言うと、皆は不思議がる。

「そんなことしなくても、騎士団なんだから自分で調べられるんじゃないの?」

「…外部から分かることもあるんですよ」

「?」

「それよりも、交代の時間過ぎましたよ」

「ああ!ヤバイ!ユーリ、フレン、行くよ!」

ヒスカとシャスティルが慌てながら二人の後を押しながら門へと向かう。

それを見送りながら、私は手渡された資料を見る。

“帝国騎士団騎士団長アレクセイに関する報告書”

それにはそう書かれていた。



 


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