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作戦が成功し、崖にいた隊長が来るのを待っていると、フレンが怒った表情でユーリに詰め寄る。

「ユーリ!」

「なんだよ」

「なんで作戦通りに行動しない!」

「うまくいったんだからいいじゃねえか」

「勝手な行動で失敗したら、皆が巻き添いをくうんだぞ!」

「いちいちうるせぇな!細かいんだよ、おまえは!」

「いい加減なんだよ!ユーリは!」

「二人とも…!」

いい加減に喧嘩をやめなさいと言う前に、隊長が二人に拳骨を与える。

「ええい、うるせぇうるせぇ!」

「いって〜…」
「うぅ…」

拳骨が頭に綺麗に入り、頭を抱える二人。

「マリアから説明受けて、とっとと後片付けに行ってこい!」

「はい…」

「おまえのせいで殴られたじゃねえか!」

「元々ユーリのせいだろ!」

「「うるさ〜い!」」

また喧嘩を始める二人に、もう諦めのムードが出てくる。

…このままで歩みよれるのでしょうか。

「…ユーリ、フレン。そろそろ説明いいですか?後片付けは設置した魔導器の回収と、この作戦で一掃された魔物以外に新たに魔物が居ないか調査をして下さい」

「はい」

「ったく、めんどくせぇな」

「ユーリ…!」

「二人とも!…ヒスカ、シャスティル。お願いします」

これ以上喧嘩をされては、進まないのを判断して双子に後を任せることにした。

ヒスカはユーリを、シャスティルはフレンを連れて森に入っていく。

「マリア。ちょっと来てくれ」

「あ、はい」

隊長に呼ばれて向かうと、何かに警戒するランバートとユルギスもいた。

「紅葉が…」

「悪ぃが、記録してくれ。着実に紅葉が街に近づく原因は、エアルの異常発生に関係あり…ってな」

「はい」

私は指示を受けてから持っていた紙とペンを取り出し、作戦の成果、不可解な点などを記録する。

ふと、街に近づきつつある紅葉を見て思う。

悪いことの前触れではありませんように、と。


 


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