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「うおっ!?なんだ!」

犬舎からユーリの驚く声が聞こえて、私は犬舎に向かう。

「ユーリ?どうしたんですか?…あ」

覗いて見ると、そこには地面に倒れるユーリとそんなユーリに戯れる二つの塊。

「ふふ、ラピードにショコラ。そのくらいにしてあげて下さい」

「「アン!」」

「…ショコラ?」

やっと仔犬が退いたのでユーリが起き上がり、ショコラの首根っこを掴み持ち上げる。

「ああ、ユーリは初めて見ますね。この子はショコラと言って私が育てているんですよ。今日はラピードと遊ばせる為に犬舎に連れてきていたんです」

「ふーん。…ったく、暴れん坊だな」

ユーリに捕まれジタバタ逃げようと試みるショコラをユーリは楽しそうに見ている。

「ユーリに構われて嬉しいみたいですね。すごい尻尾振ってます」

「オレって、なんでラピードといい、犬に好かれんだ…?」

確かにラピードの時も、ユーリを見たラピードがすぐになついていましたね。

それを見てナイレン隊長がユーリにラピードの世話を任せたんでした。

「ラピードもショコラも、ユーリがいい人だって判るんですよ。だからこんかになついて」

「んじゃ、マリアはオレよりいい奴だな」

「え?」

「こいつら、マリアが来たらすぐにマリアの所行ったろ?それにそれがなくてもオレはマリアはいい奴だと思うし」

「あ、え…、ありがとうございます…」

素で言われたら照れてしまいます。

そんな事言われたの初めてです。

「キューン」

「ワンワン!」

「いてて!なんだなんだ…!こら、やめろって…(いい感じだったってのに…!)」

私の反応に瞬時に察知したショコラとラピードがユーリに襲いかかる。

嫉妬したとかしなかったとか。



 


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