3
私がお墓の前に座り両親に報告をしている間、ユーリ達は遠慮してからか洞窟から出ていた。
「…また、来ますね」
父に私自信がアレクセイを止められなかったことを謝った。
けど、それはユーリ達が私の代わりにしてくれた。
だから安心して休んで下さいと。
「もういいのか?」
「はい。充分です。パティ、連れてきてくれてありがとうございます」
「気にすることないのじゃ」
「さぁ、帰りましょう」
船に揺られながら、海を眺めているとフレンが話し掛けてきた。
「マリア先輩は、これからどうするのですか?」
「…そうですね」
使命と考えて行動してきたことは、今回でもうなくなった。
だから正直これから何をするのかは決めていない。
でも、出来ることなら。
「ユーリと一緒にいたいです」
「んだよ。それだけか?なんかしたいことはねぇのかよ」
「まだ見付けられません。…これからゆっくりと決めていきたいです」
そう、ユーリと一緒に。
「そっか。まあこれから時間はたっぷりあるんだからそれでいいんじゃねえか?」
「そうですね。焦って考えなくてもいつか必ず見つかります」
「うむ!そうなのじゃ」
皆の言葉に胸が暖かくなる。
私は今まで一人で背負い込んで急ぎ足で進んでいた。
けど、これからはゆっくりまったりと、皆と共に歩みたい。
私はもう片翼を無くした天使は卒業します。
ユーリ…仲間という片翼と共に大空に羽ばたきます。
未来という大空に…。
end
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