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「マリア!良かったです!」
「心配したのじゃ」
「マリア先輩…身体は大丈夫ですか?」
「皆さん…」
私が目を覚ましたと聞いたエステル、パティ、フレンが駆け付けてきた。
他の人達は、仕事で多忙のようで来れないらしい。
それでも、私は嬉しかった。
私を気にかけてくれる人がいることに。
「心配かけてすみません。もう大丈夫ですから」
「身体は平気なのかの」
「ええ、治癒術ですっかり良くなりました」
「そうか!なら、マリアに着いてきて欲しい所があるのじゃ!」
「…?」
すぐに船を用意すると言ってパティは部屋を出ていった。
それから程なく、集まっていた全員でパティが操る船に乗り込み、ある場所に連れていかれた。
*
「ここは…」
赤い花が沢山咲く岸辺に船を寄せ、パティはその先にある洞窟の入口へと私を誘う。
中に入ると一番に目にしたのは、沢山並べられている石。
それはまるでお墓のよう。
いや…お墓なのだろう。
「ここは…ブラックホープ号事件の被害者のお墓なのじゃ。…うちとサイファーが作った」
「…じゃあ」
「そうじゃ。マリアの、両親のお墓もある」
「「!!」」
そう、私の両親が亡くなったのはブラックホープ号事件に巻き込まれたから。
そして、遺骨すら帰ってこなかった。
…まさか、ここに眠っていたなんて。
両親の名前が刻まれた石を見つけて私はその場に膝をつく。
「…お父様、お母様…」
やっと会えた…。
沢山言いたいことがあるんです。
沢山話したいことがあるんです。
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