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帝都ザーフィアスから離れた辺境の小さな街、シゾンタニア。

この街に駐屯するナイレン隊に、入隊したばかりのユーリとフレンが来てから数ヵ月たちました。

私はナイレン隊所属、マリア・クーリッツ。
ユーリ達と同い年で一年先輩です。

「ランバート、ラピード、朝ご飯ですよー…って」

「ん…」

「ユーリ?」

犬舎のランバート達の寝床に寝ているユーリの姿がありました。

場所をかなり取り豪快に寝ているユーリに、ちょっとランバート達が窮屈にしているように見えるのは、見間違いじゃないですね。

「アン」

「クーン」

「ああ待って下さいね、今起こします。…ユーリ起きて下さい」

期待の眼差しで私を見る二匹に、私はユーリを起こしにかかる。

「ん…マリア?なんでここに…」

「私はユーリが見えないからランバート達のご飯をあげに来ました。ユーリはまたフレンと喧嘩したのですか?」

「あいつがわからず屋なんだよ」

「はいはい」

ユーリは部屋に居られなくなると、よく犬舎で寝てます。

私は二匹にご飯をあげる。

お腹が空いていたようで勢いよく食らいついてます。

相変わらず、かわいいですね。

「そうだ。今回の作戦がユーリとフレンの初陣なんですよね」

「ああ、魔物を駆除する大掛かりな作戦のあれな。まどろっこしくてオレには合わねえよ」

「ふふ、確かにユーリには合わない作戦ですね。でも、ユーリと組むヒスカに迷惑をかけては駄目ですよ」

騎士団ではチームワークは大切ですからね?と言えば、分かってると口にしながらもあまりわかっていないユーリです。

「頑張りましょうね」

「あいよ」



映画始まる前のユーリとの会話。


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