ギルド構造

「そういう人たちのために何かできることってないかなぁ。教会の中だけじやできることは限られてくるし」

聖女といわれ聖職者の鏡であるアンジュは悩んでいた。

ううむ。
ここは私が助太刀しようかな?

「アンジ…」
「そういえば、よその国では“ギルド”というものがありますよ?」

「ギルド?」

「ひと言で言えばなんでも屋さんでしょうか?人々からの依頼を聞いて助けてあげるお仕事です。僕たちにもできるんじゃないでしょうか?」

「わあ、すてき!」

あああ!!
私が、私が言おうとしていた事をロックスに言われるなんて…!!

私は(自称)吟遊詩人で、歴史を語り、人々に知識を与えたりしたりしなかったりしてるのに…!

「アリア?どした?大丈夫か?」

「メルディ…。私はもう駄目かも知れない…」

「バイバ!しっかりするな!」

「…お前たち、何をしている」

崩れた私とそれを介抱するメルディに、キールの厳しいツッコミが入る。



ロックスからギルドの事を聞いたアンジュは、時々二人でギルドについて議論するようになった。

「ギルドを立ち上げても維持していくことが必要なんです。国に所属すると予算は幾分か…」

「でも、どこかの国に属するとそこの敵対国の人々は助けられないし…うーん…」

ふむふむ、国に縛られるとそんな問題もあるんだ。

私は掃除をしながら話を聞いていた。

「ねえ、アリア。あなた吟遊詩人で沢山の場所を巡っていたんでしょ?なにかいい案はない?」

「はぇ?んーそうだなぁ」

そういえばグラニデではバンエルティア号っていう船を拠点にしてたんだよね?

チャットもいる訳だし、あったらそれを使うのもありだけど…。

「移動する拠点があったらいいよね!それで旅して国のいざこざ云々なしに依頼とか出来るんじゃ?なにものにも属さないギルド!…とか」

「それはいい案だけど…。移動する拠点かぁ。なにかいいものないかなぁ」

うーん、バンエルティア号のことを話そうか?と悩んでいると、チャットやみんながなにか口論しているのが耳に入る。

なんでもその話は私がいま考えていたバンエルティア号の話ではないか!

アンジュもバンエルティア号が船と聞いて目の色を輝かせた。

「興味あるなぁ。その話」

「アンジュさんは信じてくれるんですね!バンエルティア号を見つけるために一緒に行ってくれませんか?」

「でも、教会をあけておくほどわたしも暇じゃないしなぁ」

「もし見つかったらお礼でもなんでもしますよ!!」

「そう?じゃあ何か考えておくね!というわけでみんな協力してあげて!」

「「えーーーーーっ」」

そしてチャットを上手く乗せて、みんなを巻き込んだバンエルティア号が捜索隊が発足された。


 

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