僕は鏡音レンとキスをした

僕は鏡音レンとキスをした

H25 11/2

うちの学園祭だった。

朝学校に行ってみると
森口とフジヤマ君と相馬君がいた。

まっすーも加わったので
自分はゴスロリ
森口はジェダイローブ
まっすーは馬のかぶりもの
をして
仮装を楽しんでいた。

特にまっすーは子供たちに人気で,
おもちゃのナイフやキックで何度も攻撃されていた。

森口に至っては
子供らに
「悪魔〜!」
と言われ,成敗されていた。

自分はその子供らの中でもひとり,茶髪のメッシュの入った長髪の女の子に話しかけられた。

「おねいちゃんは吸血鬼なん?」

と‥。

どうみてもゴスロリだが,
女の子は見たところ小学生くらいのコだったので
質問に対してうなずくと
「ハロウィンはどのかっこでいたん?」
と聞いてくるので

「ハロウィンもこれだよ」
と返すと

「やったらもっとおばけみたいにせなあかん!」
だって。

おばけっぽいなりふりをしてみせると
彼女は笑い,
「これあげるわ!」
とイチゴの飴を差し出した。

ありがとう!
と早速口に含むと
さらに
「これも」
と水色の蛍光ペンも追加でくれた。

「これなぁ〜フリクションやから,ここで消せるやつやで〜」
と彼女は嬉しそうに言った。


自分はお礼にと
彼女に水玉のリボンを手渡し,
あげると言うと
「やったぁ〜!」
とニッコリし,
付けてと自身の頭を指差した。

頭に付けたリボンを
他の子がふざけて取ろうとすると
「駄目!これもらったんやから!」
と大事そうにする様子を見て
自分はたいそう和やかな気分になった。

彼女たちとバイバイしてからは
食堂の休憩スペースでのんびりした。


しばらくすると
髪をちょんと結った茶髪のおじいさんが
「君たち,暇ならちょっと見てってよ。
書道の先生が今から字書きはるから」
と宣伝しに来た。

見るとホントにそこでやるみたいだったので
相馬君と見に行ってみた。

すると黒い和服に身を包んだ書道の先生が
2本に束ねた筆で大きな用紙に
「大学祭」
と立派に書いて見せた。

次に
先程宣伝しに来た茶髪のおじいさんが
「じゃぁみんなそこ並んでくれる?
似顔絵描くから!
あ,これは漫画やからね?
ひゃーあたしこんなぶちゃいくちゃうわ〜とか思わんといてね」
と言って
「大学祭」と書かれた用紙の空白スペースに
さらさらとそこにいたみんなの似顔絵を描き始めた。彼の筆使いに見とれてしまう程
それは見事なものだった。

完成した後も
記念に写真を撮りながら
じっくりと絵を見ていると
また彼がやってきて
「ちょっとここにさっきのみんなの名前聞いて書いて来て」
とメモ用紙を渡すので
言われるままに名前を集めてくると,
ポストカードサイズの画用紙に
筆でその名前の文字デザインを
すらすらと描き始めた。

デザインの余白に
メッセージを添え,
彼は作品をその場でプレゼントしてくれた。

麻酔は描いてくれている間も
どきどきしていたので
非常に感激であった。

その後も絵描きさんの仕事(1枚1000円で彼らが似顔絵を描いてくれる)をずっと眺めていたわけだが
なんというか‥尊敬の一言である。
おじいさんならではの筆,色使い,感性‥とても柔らかさを感じた。

趣味を仕事にできるって
ホント素晴らしいね。



それから
森口が急用のためいったん抜けて
まっすーと相馬君とつづみんとしょーごとフジヤマ君で
大学の屋台の食べ物をつまんで過ごしていた。

すると
コンビニに行ってきたまっすーたちが何故か酒を買ってきた。

まっすーから
3%のオレンジをもらった。

しかしフジヤマ君は
自分と同じオレンジと
さらに8%の長缶レモンを飲み,
完全に酔っていらした。

そこでつづみんが
「えー!俺もほしー!」
と言うので
まっすーとしょーごと自分が
コンビニまで追加のアルコールを買いに行った。

その時点で外出中の森口から連絡が入ったので今の状況報告をすると
「あんのバカっ!今すぐ戻る」
とフジヤマ君が酔ったことに対して焦っていた。
まぁ酔った彼を持って帰るはめになるのは森口だからなぁ‥。


みんなのもとに戻ると早速
つづみんとフジヤマ君は6%の長缶レモン,
まっすーは3%のピーチを飲み始めた。
あと自分は飲む気無かったけど
まっすーが同じピーチのくれたから結局飲んだ。

自分とまっすーはそうでもないんだけど
フジヤマ君とつづみんの酔い方が激しくて。

つづみんはリミッターが外れたみたいにはしゃぎまくるし
フジヤマ君はもう倒れるくらいフラフラしてた。

因みに
相馬君としょーごは未成年なので飲みません(飲めません)。


フジヤマ君に近付くと
彼は座ってても平行感覚を失い,倒れ込み,
麻酔の手をぎゅっと握ってきたり
膝枕をしようとするので
まだゴスロリだった自分は
着替えてくる
と言って
その場を空けた。

トイレで着替えてから出ると
しょーごが待ってくれていたので
みんなのとこに戻る前に少し話した。

「お前,酔ってるだろ」
と言うので
そんなことない
と否定すると
首もとや顔が熱いと言われた。
でも彼らよりはましなことは確かだ。

戻るとフジヤマ君は
帰ってきた森口にこっぴどく叱られたのと
アルコールのせいで
トイレの前に顔を伏せて座り込んでいた。


しばらくそのままの状態だったのだが,
ついにフジヤマ君がトイレに吐きに行ったので
まっすーが彼の面倒を見ている間
森口としょーごと麻酔で
コンビニにソルマックを買いに行くことに。

自分は
あんな切羽詰まった森口は
始めてみたよ。


とりあえずフジヤマ君に
無理矢理ソルマックを飲ませ
落ち着かせたんだが
何故かまた
フジヤマ君とつづみん2人で酔って
一緒に大声で歌い出す始末。


それからお開きムードで
外に出ると
急にフジヤマ君の酔いが醒め冷静に。

フジヤマ君には自分が酔ってる間の記憶がないみたいで
森口が晒すように
酔っていた時のことを説明すると
彼の顔色が変わり,
「ホントすいませんっした!」
とみんなの前で土下座をした。


森口が
「俺の目の黒いうちはコイツには絶対に酒は飲ません」
と断言していた。





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