「土方、」 静かな部屋に凛とした声が響いた。 振り返ってみるとそこにいたのは何だか艶やかな表情を浮かべる坂田で。 ああ、またか。 定期的に坂田に訪れる、これは発情期に近いモノ。 「…キスして」 俺の唇に息が掛かるほどまでに近付いて来た坂田の唇にそっと唇を落とせば、するりと隙間から舌が入って来て俺の舌を絡め取る。 「ん、ん…んぅ……」 酸素を求める隙間から時折漏れる坂田のいやらしい声。 ちくしょう、興奮する。 「エッチしよ、土方…っ」 言わなくても分かることを、なんて思ったけど、改めて潤んだ瞳や火照った頬をした表情で言われると気分はますます高揚した。 耳殻を舐め上げ息を吹き掛けると面白いくらいに反応する坂田の身体に嬉しくなって、身体のラインをなぞりながら、そっと唇を落とす。 坂田は、小さく甘い声を漏らしながら身を捩る。 「あ、…んん……ん…くすぐったいよ…」 とろんとした目でこちらを見て来る坂田はいつもの死んだ魚のような目ではなく、とても恍惚としていて、いやらしい。 こいつとは一生犬猿の仲で分かり合えることなんてないと思っていた。 けど、気付いたらこんな関係になっていて、俺自身滅茶苦茶驚いている。 「土方…も、欲しい…」 「まだ解してねぇから待ってろ」 「い、い…から…」 「馬鹿、ンなことしたら切れるから駄目に決まってんだろ」 うらめしそうな顔。 そりゃ俺だって今すぐ突っ込んでぐちゃぐちゃに掻き回してガンガンに突いてやりたい。 だけどそんなことをしたら後が辛いだろうし、辛そうな顔なんて見たくねぇから、俺はゆっくりと坂田の後ろを解し始める。 「ふ、ああ…んぁ…ゃ…っあ」 入り口にそっと触れて指を差し込んだだけで坂田は甘い声で喘いだ。 どれだけ刺激を待ち侘びていたのだろうか。坂田の肉壁はヒクヒクと蠢きほんのわずかな刺激をもたらす俺の指さえ逃すまいとしている。 坂田本人の意志とは関係なしに動くそこは何ともいやらしい。 真っ赤に熟した果実のような内壁が時折覗く度に俺は興奮した。 「坂田、腰揺れてる」 「…っあ、だ、だって…ふ、…はぁん」 余程もどかしいのか、坂田は無意識の内に腰を揺らしていた。 「っ、ああっ…んあっ」 その瞬間、コリッとしたモノに指が擦れば坂田は一際甘美な声を上げた。 前立腺。軽く指を擦るだけで坂田は悦がった。 「ああッ、あっ、あぁーッ」 痛いくらいに俺の指を締め付けて来る坂田の蕾はもっと大きな刺激を欲してひくつく。 俺の指を三本飲み込んでいたそこからずるりと引き抜くと、パクパクと次の刺激を待ち構えていた。 「坂田、」 「…はぁ…土方…」 「挿入れるぞ」 「ん、来て…早く、欲しい…」 潤んだ、ねだるような瞳で俺を見て来る坂田は計算なのかと思う程。 良い感じに煽られた。 ぐい、と坂田の腰を引き寄せ昂ぶった俺の分身を熟れて真っ赤な蕾に押しあて一息に挿入すれば、中のとろけそうな熱さと狭さに目が眩んだ。 「…ッ、」 「ひぁああ…っあ、イイ…んあ、イイ…っ」 背中に痛いくらい爪を立てられる。 でもそれさえも掻き消すくらい坂田の中は気持ち良い。 腰をグラインドさせ、カリを前立腺へ引っ掛ければ坂田はこれでもかというくらい喘ぎ叫んだ。 「ああっ、ッア、…あぁーッ…そこぉ、だ…め…っああ」 「こんなぐちょぐちょにしてんのに何が駄目なんだ、よッ」 執拗にそこばかり責め立てると、坂田の瞳からは涙が零れる。 「だめ、っあ…だめ……も、イッちゃう…んああ、…イッちゃう……っあぁ」 「……イッちまえ、」 「っひ、アッアッ…ん、んっ…あぁッ…あぁああぁ!」 最奥へと激しく突いた瞬間に、坂田と俺の腹の間にあった坂田の分身からびゅくっと勢い良く白濁が放たれ、反射的に後ろが締まり俺を締め付けた。 坂田が達してから程なくして俺も溜まった熱をどくどくと放った。 「は、…っ」 「ン…ぁ…ふ、あ…」 鼻に掛かった声がまたいやらしい。 達したばかりなのにまた勃ちそうだ。 「坂田、」 「…ん…土方」 そっと唇を落とすと、幸せで胸が苦しくなる。まさか、こんなにもこいつに夢中になるなんて。 けど、もうどうでも良く感じた。 今は坂田とのこの一時の幸せを噛み締めるので十分だった。 想い、遠回しに ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ただエッチしてるだけですスミマセンw |