jewelry*flavor 革張りのソファーに腰掛けているプラシドの膝に跨る。向かい合うように座ると、目があった。 「プラシドさん」 りんはそっと、赤い瞳に口付けた。舌でその眼球を舐める。 「……貴様、何をしている」 低い声が耳をくすぐる。 「プラシドさんの目って赤くて綺麗だから……」 目尻に指で触れる。 「だから、イチゴの味がするのかと思って」 「なんだそれは」 プラシドは溜め息をつくと、りんを睨んだ。 「さっさと降りろ。俺はお前のように暇ではない」 「イチゴじゃなくて、ルビーなんですね」 「話を聞け、低脳」 りんは不機嫌そうに頬を膨らませた。 「ひどいですよ。低脳なんて」 「人扱いしてやってるだけ有り難いと思え」 不機嫌な彼女とは反対に、プラシドは口元に笑みを浮かべた。 「俺の目がルビーなら、お前のはサファイアだな」 そう言って、りんの瞼を指でなぞった。反射的に目を瞑った彼女の顎を持ち上げる。 「目を開け、りん。この俺にもっとよく見せてみろ」 2人の距離が、息がかかるほど近くなる。 「さっき、暇じゃないって言ってませんでした?」 「誰のせいだと思っている」 「人のせいにしないで下さい」 プラシドの手がりんの腰に、りんの腕がプラシドの首に回される。 「フン……口の減らない女だ」 互いの瞳に己の姿を映しあいながら、深く深く口付けた。 |